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月は回っているのに、どうして同じ模様が見える?

月は地球の周りを一周する間に、月自身も一回転しています。紙の矢印を使う任意の模型で、公転と自転、地球から見える面の違いを考えます。

この記事の要点

  • 月も自転している:地球の周りを一周する間に、月自身も一回転します。どちらも約27.3日です。
  • 「同じ面を向ける」と「向きが変わらない」は別:地球に向けた面を保つには、周りを進みながら月の向きも変わります。
  • 正確には「ほぼ同じ面」:わずかな見え方の変化があり、長い間に裏側の一部も地球から見えます。

目次

まずは「一周する間に、一回転する」と答える

「月も回っているのに、どうして同じ模様が見えるの?」と聞かれたら、「月は地球の周りを一周する間に、自分も一回転するんだよ。だから、ほぼ同じ面を地球に向けているんだ」と答えられます。

地球の周りを進む動きが「公転」、月自身が軸の周りで回る動きが「自転」です。月は二つの動きを同時にしています。JAXAの基礎データでは、公転と自転の周期はどちらも約27.32日。およそ27.3日で一周し、一回転する組み合わせです。JAXAの解説

同じ面がこちらを向いていると、止まっているようにも思えます。ここで分けたいのは、「地球からどの面が見えるか」と「遠くの星を基準に、月自身の向きがどう変わるか」です。地球にいる私たちからの見え方だけでは、自転していないとは言えません。

気になったら、紙の矢印で二つの動きを比べる

言葉だけでは思い浮かべにくければ、机の上で紙を動かす方法もあります。読んで終えても構いません。これは向きの関係を見るための模型で、実際の月や地球の大きさ、距離を再現するものではありません。

大きな紙の中央に「地球」と書き、その周りに円を描きます。紙の上側に「上」と書き、紙も座る位置も動かさないようにします。別の小さな紙を月の代わりにし、中心から一辺へ向かう矢印を一本描きます。矢印の先を、月の同じ面を示す目印にしましょう。

1.矢印を地球へ向けたまま、一周させる

最初は月の紙を円の右側に置き、矢印を中央の地球へ、つまり左へ向けます。次に月を円に沿って、右、上、左、下、右の順に動かします。その間、矢印の先がいつも地球を向くように、小さな紙の向きも変えてください。

大きな紙の「上」を基準にすると、矢印は左、下、右、上、左と向きを変えます。元の場所に戻るまでに、月の紙自身も一回転しています。地球へ同じ面を向け続けるために、紙を回していたのです。

最初と最後の矢印だけを見ると、どちらも左向きです。でも、出発点と同じ向きに戻ったことは、「途中で回らなかった」ことにはなりません。上や左の位置でもいったん止めて見ると、その間に向きが変わったことが分かります。

紙の上方向を固定した二つの模型。左は月の紙を右、上、左、下へ進めると、矢印が左、下、右、上へ変わり、常に中央の地球を向く。右はどの位置でも矢印を左向きに固定し、月が地球の左に来ると矢印は地球と反対を向く。大きさと距離は実物の比率ではない。
左は同じ面を地球へ向けながら一周する模型、右は紙の向きを固定して一周する模型。左では紙自身も一回転します。大きさ・距離は実物の比率ではありません。

2.今度は、矢印をずっと左へ向ける

同じ出発点に戻し、今度は小さな紙を回さず、矢印をずっと大きな紙の左へ向けたまま一周させます。これが、この模型で「自転しないで公転する」動きです。

月が円の左側へ来ると、地球は月の右にあります。それでも矢印は左向きなので、地球とは反対を向きます。地球から見る面は、出発点のときと同じにはなりません。二つの動きの違いは、月の場所に加えて、矢印の向きも見比べると確かめられます。

動かしている親子は、模型全体を上から見ています。一方、「地球から見える面」を考えるときには、中央の地球から月を見るつもりで比べます。模型を眺める人と地球の位置を分けて考えるのが、この比べ方のポイントです。

「ほぼ同じ面」と言うのは、少し揺れて見えるから

国立天文台は、月の自転と公転の周期がそろっていることを「同期している」と説明しています。ただし、現実の月は、この円の模型どおりにぴったり同じ面だけを見せるわけではありません。

地球から見ると、月はゆっくり揺れ動くように見えます。この変化を「秤動(ひょうどう)」といい、時間がたつと裏側の一部も見えるようになります。「いつでも、まったく同じ半分だけ」と覚えず、「ほぼ同じ面」としておきましょう。国立天文台の秤動の解説

約27.3日と、満ち欠けの約29.5日は違う

「月は約一か月で元に戻る」と聞いたことがあると、数字が気になるかもしれません。今回の約27.3日は、遠くの星を基準にした公転と自転の周期です。一方、新月から次の新月へと満ち欠けを一巡する周期は、平均約29.5日です。

月が地球を一周する間に、地球も太陽の周りを進みます。同じ満ち欠けの状態になるには、月がもう少し先へ進む必要があるため、二つの周期は一致しません。「月が一回転する時間」と「同じ満ち欠けに戻る時間」を分けておくと、数字を混同せずに済みます。国立天文台の周期の解説

全部説明せず、「向きも変わったね」で終えていい

紙を動かしてみたら、「地球を向いたまま進むと、矢印の向きも変わったね」と区切れます。子どもに説明し直してもらったり、その場で周期を覚えてもらったりする必要はありません。月の動きが気になったときに、一つの疑問を一緒に考えるための案です。

この記事は、月に関心を持つ小学生と保護者を想定しています。この読者設定と紙模型、声かけは編集上の提案です。参照した国立天文台とJAXAの資料は天文現象の解説で、子どもを参加者にした学習効果の研究ではありません。模型を使えば必ず理解できる、理科の成績が上がる、といった効果は示していません。

参考資料

資料確認日:2026年10月24日。暦計算室の周期ページは2022年7月11日更新。ほか2件は公開・更新日の表示を確認できませんでした。

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