この記事の要点
- 1/4のほうが大きい:分母の「5」と「4」だけで決めず、0から1の間のどこにある数かを見ます。
- 同じ0〜1に、二つの位置を置く:同じ長さの区間を4等分した最初の位置が1/4、5等分した最初の位置が1/5です。右にあるほうが大きくなります。
- 一組を見て終えていい:数直線が分かりづらければ、学校で使っている図へ戻れます。家庭で教え切る必要はありません。
目次
どの数字を比べたか、聞いてみる
「5は4より大きいから、1/5のほうが大きい」。そんな答えが出たとき、まず「5と4を比べたんだね」と、どこを見たか聞いてみる方法があります。答えを直す前に、子どもが使った考え方を一緒に確かめられます。
整数なら5は4より大きいのですが、分数の大きさは分母の数字だけでは決まりません。1/5と1/4では、1/4のほうが大きくなります。「分母が大きいほうが小さい」と先に暗記するより、今回は同じ0〜1の中に二つの数を置いてみます。
この記事は、分数を習い始めた小学生の保護者向けです。まだ習っていない表し方を先取りする必要はありません。宿題なら、まず教科書の図や、授業で使った言葉を手元に置いてください。
同じ0〜1で、二つの位置を見る
横向きの数直線では、右へ進むほど数が大きくなります。まず左を0、右を1とする区間を一つ決めます。紙の長さの単位を測る課題ではなく、この区間の中で分数の位置を比べる課題です。
1.同じ長さの区間を、上下にそろえる
0と1の位置を上下でそろえて、2本の数直線を用意します。上は0〜1を同じ長さの四つの区間に、下は同じ長さの五つの区間に分けます。手描きで等分しにくければ、大人が用意した図や学校の教材を使えます。
方眼紙があれば、横20マス分を0〜1にすると、四つに分ける線は5マスずつ、五つに分ける線は4マスずつで引けます。これは大人が図を整える一例です。子どもに20マスを数えさせたり、通分を教えたりする必要はありません。
2.0から最初の区切りに、分数を書く
上の線では、0から四つの区間の一つ分だけ進んだ位置に1/4と書きます。下の線では、0から五つの区間の一つ分だけ進んだ位置に1/5と書きます。「どちらも、分けた区間の一つ分だね」と指せます。
ここで比べるのは、印の数や書いた数字の大きさではなく、二つの印の位置です。0と1を上下でそろえて見ると、1/4の印が1/5より右にあります。だから、1/4のほうが大きいと確かめられます。

3.説明は、一つの言葉で区切る
「同じ0から1までを、等しく五つに分けたほうが、一つ分は短くなるね」。親がここまで言って終えても構いません。子ども自身の言葉で説明し直させたり、その場で別の問題を続けたりしなくてもよいでしょう。
分子も変わるときは、位置に戻る
1/5と1/4で確かめたことを、「分母が大きい分数は、いつでも小さい」と広げないようにします。たとえば、2/5と1/4では、2/5のほうが大きくなります。
同じ図で、下の線を0から五つの区間の二つ分だけ進むと、そこが2/5です。その位置は1/4より右に来ます。分子は、等しく分けた区間のいくつ分かを表しているので、下の数字だけを比べると決められません。
子どもが続けたがったときの例として使えますが、最初からここまで進める必要はありません。分子と分母の話が混ざってきたら、1/5と1/4の一組に戻せます。
図が分かりづらいときは、学校の説明へ
数直線を見せても、すぐに納得するとは限りません。円や長方形の一部を塗る図のほうが、今は見やすい子もいるでしょう。数直線に切り替えなければならないわけではありません。
学校の面積図で1/4を確かめたら、「この1/4は、数直線ではここだね」と対応を見られます。一度に何種類も並べると迷うなら、教科書の図だけに戻って構いません。図を描く正確さと、数の位置を考えることも分けて扱います。
宿題で困り続ける場合は、「1/5と1/4で、分母の大きいほうを選んでいる」「図なら答えられるが、数字だけだと迷う」など、見えた様子を先生に伝える手があります。「分数が全部分からない」と広くまとめるより、どこを一緒に見ればよいか相談できます。
研究が調べたのは、短い指導の直後
HamdanとGundersonの研究には、米国のカトリック学校5校の小学2・3年生114人が参加しました。学級内で数直線、面積図、クロスワードの3条件に無作為に分け、約15分の活動後に課題を行っています。事前成績・年齢・読字成績を調整した大小比較では、数直線群がほかの2群を上回りました。研究本文
ただし、114人は参加者数で、すべての分析に同人数が含まれたわけではありません。調整しない数直線群の前後比較では、大小比較の改善は通常の統計的基準に達しておらず、指導後の正答率も高くはありませんでした。「15分で分数を習得した」という結果ではありません。
研究の数直線は細い長方形で、区切る・塗る・位置を示す練習とフィードバックを含んでいました。長期間の定着や、日本の家庭で同じ効果が出るかは検証していません。この記事の図の作り方や声かけは編集部の提案で、研究の手順そのものではありません。
数直線は、分数を「位置のある数」として見るための一つの手がかりです。今使っている教材を置き換えるより、迷った一組を別の表し方でも眺めたいときに選べます。
参考文献
Hamdan, N., & Gunderson, E. A.(2017)The Number Line Is a Critical Spatial-Numerical Representation: Evidence From a Fraction Intervention. Developmental Psychology, 53(3), 587–596. 論文情報。オンライン先行公開は2016年11月17日。









