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「ゼロって、何もないのに数なの?」と聞かれたら

0も数です。物の個数を数えるときは、その物が一つもないことを表します。「箱の中のカードは0枚だね」と、何を数えているかを添えて話せます。大きなカードを使う会話例と、幼児のゼロ理解を調べた研究の範囲を紹介します。

この記事の要点

  • 0も数です:「カードが一枚もない」という枚数を、0で表せます。
  • 何が0なのかを添えると話しやすくなります:「この箱の中のカードは0枚だね」と、物と場所を指して伝えられます。
  • その場で納得しきらなくても大丈夫:ゼロと言わせるテストや、分かるまでの繰り返しにする必要はありません。

目次

「何もないなら、数じゃないんじゃない?」。子どもの疑問には、まず「0も数だよ。一つもない、という数も表せるんだ」と返せます。

ここでは、物がいくつあるかを表す0を取り上げます。年齢別の到達目標ではなく、数に興味を持った子との会話のための説明です。

「何もない」より、「カードが0枚」

箱の中にカードが一枚もなければ、カードの枚数は0です。箱そのものや空気まで消えた、という意味ではありません。「何を数えているか」を決めると、同じ場所に別の物があっても話せます。

たとえば、箱の中に大きな積み木が一つあり、カードはない場面なら、「積み木は1個。カードは0枚だね」と言えます。0は、その場所のすべてがなくなったことを表す言葉ではないのです。

「ゼロ」は数の呼び名で、「0」はそれを書く記号です。「カードは何枚?」に、1枚や2枚だけでなく、0枚という答えもあります。字を上手に書く練習まで、一緒に始めなくて構いません。

大きなカードを、机の上と手元で見比べる

子どもが見てみたそうなら、机の上に大きくて扱いやすいカードを一枚置きます。「机の上に1枚あるね」。その一枚を手に持って、「今、机の上には一枚もないね。0枚だね」と話す方法があります。

「手にはあるよ」と言われたら、「そうだね、手には1枚。机の上は0枚」と、どこの枚数かを確かめられます。カードが消えたことにせず、移った先も見えるままにします。

これは編集部が考えた会話の例です。遊びに使っているカードを取り上げたり、同じ操作を何度もやらせたりしなくて大丈夫です。豆や硬貨などの小物は使わず、物を口に入れる子とはこの遊びを控え、言葉で話すだけにできます。

大人と子どもが並んで、空のトレーと、大きな積み木が一つ入ったトレーを見ているイラスト。
一方のトレーには積み木がなく、もう一方には一つあります。何がいくつあるかを話す場面のイラストです。

「ない」と言えたら、言い直させなくていい

子どもが「カード、ないね」と言ったら、「うん、一枚もないね。0枚とも言うんだよ」と添えられます。「ゼロと言ってごらん」と、同じ言葉を返してもらうところまで求めなくても話は成立します。

まだ「数じゃない気がする」と言うなら、「一つもないのも、枚数として表せるんだね」と短く伝え、その疑問を残して終えてもよいでしょう。0が数であることは伝えながら、その場で説明を覚えることまでは求めない返し方です。

ここでの0は、カードの枚数の話です。「何もできない」「価値がない」という、人への評価と結び付けないようにします。

研究では、ゼロの理解を分けて調べている

Krajcsiらの2021年の研究には、ハンガリーの二つの園から40人が参加し、38人が分析対象となりました。分析対象の年齢は3歳2か月〜5歳1か月。約30分の一回の個別課題で、物を渡す、数を比べる、数かどうかを答えるといった違う問いを調べています。原著論文

結果では、物が一つもない状況を課題で扱えること、ゼロに当たる言葉を理解すること、ゼロを数だと考えることは、必ずしもそろっていませんでした。著者らは、これらを別の面として捉えています。

これは家庭の声かけを訓練して効果を比べた研究ではなく、何歳までに理解すべきかを決める資料でもありません。対象が少数で、課題はハンガリー語です。日本語での一度の返答に当てはめて、理解の段階を判定することはできません。

Stanford DREMEの家族向け解説にも、身近な「一つも残っていない」場面とゼロを結ぶ提案があります。これは家庭で話す際の参考であり、この記事のカード遊びの効果を確かめたものではありません。DREMEの解説

今日は「何が0か」を一つ話せたら

「箱の中のカードは0枚だね」。その一言だけで終わる日があっても構いません。子どもが次の遊びを始めたら、話もそこで一区切り。別の日にまた尋ねられたとき、目の前の物を一緒に見ながら答えられます。

参考文献・資料

資料確認日:2026年10月25日

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