この記事の要点
- 次々替えることだけで「集中力がない」と決めず、何をしているかを見てみます。
- 試すなら、今使っていないおもちゃの一部をいったんしまう方法があります。持っている物を捨てる話ではありません。
- 「何個が正解」「何分遊べたら合格」という基準にはしません。合わなければ戻せます。
今の遊びを止めず、使っていない物から
車を手に取り、すぐ人形へ。その次は別のおもちゃへ。どれでも遊べるように出しているのに、落ち着かないように見える。そんなときは、次の遊びの時間に、使っていない物の一部をいったんしまってみる選択肢があります。
ただし、手から取り上げたり、遊びの途中で床を何もない状態にしたりする必要はありません。車を走らせながら積み木の車庫へ入れているなら、二種類を行き来していても一つの遊びとして楽しんでいるのかもしれません。まずは、今していることを少し眺められます。
以下は、主に1歳半〜2歳半ごろの子どもの遊び場について、家庭で選べる編集部の提案です。効果が検証された家庭向けの手順ではありません。新しい収納や教材を買うことも前提にしていません。
たとえば、床で使っている車と積み木はそのままにし、しばらく触っていない別の遊び道具をいつもの箱へ戻す。「これは、またあとで出せるよ」と必要に応じて添えます。言葉でやり取りができるなら、「こっちは箱に戻しておく?」と相談してもよいでしょう。
本人が探したり、欲しがったりしたら、出してかまいません。少ない状態を守り抜くことが目的ではなく、その場で遊びやすい置き方を試すためです。
数えるのは持ち物全部ではなく、その場にある物
「おもちゃを減らす」と聞くと、処分する物を選ばなければ、と感じるかもしれません。この記事で考えるのは、所有する総数ではなく、一度の遊びで手に取れるところに何を出しておくかです。
もらった物や、今は使っていないお気に入りまで手放す必要はありません。入れ替えの予定表を作ったり、毎日同じ数にそろえたりしなくてもよいでしょう。
また、積み木一個ずつを数えて上限を守るような使い方もしません。作りたい物に必要な部品まで減らすと、やりたい遊びそのものができなくなってしまいます。
考えるなら「いま使っている一組」「続きをするときに必要な物」「今日はまだ使っていない別の物」くらいに分ける方法があります。きょうだいが使っている物は、その人の遊びもあるので勝手にしまわずに扱います。

少なくしても変わらなかったら
しまった後も、すぐ違う物に手が伸びるかもしれません。その場合も「せっかく片付けたのに」と長く遊ぶことを求めなくて大丈夫です。
本人が遊びに必要な物を探しているなら戻す。別の物で遊びたそうなら入れ替える。特に困っていないなら、置き方の見直しをやめる。その日の様子に合わせて終えられます。
見るとしても、何分続いたかを計るより、今ある物で楽しそうに遊んでいるか、欲しい物がなくて困っていないか、といった目の前のことから。親が遊び方を記録し続けるための工夫ではありません。
遊び方の変化は、おもちゃの数だけで説明できるものではありません。今回の提案を、子どもの発達や親の環境づくりを採点する道具にはしないでください。
研究では4個と16個を比べた
Dauchらの研究(2018年掲載、2017年11月27日オンライン公開)では、米国の18〜30か月の子ども36人が、おもちゃ4個と16個の両方の条件で遊びました。順番は無作為に決め、各回の15分間を分析しています。[出典1]
4個の条件では、一つのおもちゃで続けて遊ぶ一回の時間が平均して長く、一つのおもちゃの使い方にも幅が見られました。ただし、比べたのは限られた短時間の遊びです。将来の集中力や創造性が高まったと測定した研究ではありません。
おもちゃの適正数を決める研究ではない
参加者は地域や家庭背景が限られ、各条件を経験したのも一回ずつです。おもちゃの組み合わせも条件によって異なります。普段の家庭や、きょうだいと一緒に遊ぶ場合に同じ結果になるとは限りません。[出典1]
4個と16個の比較から、「どの家でも4個が最適」とは決められません。研究の数を家のルールにするより、今の遊びを邪魔しない範囲で、一度に出す物を少し変えてみる。その子に合わなければ戻す、という使い方ができます。
おもちゃがたくさんあることを責めたり、以前の買い物を後悔したりするための話ではありません。今日は今のまま遊ぶ日、余裕のある日に少し置き方を変える日。そのくらいの選択肢として考えられます。
参考文献
- Dauch, C., Imwalle, M., Ocasio, B., & Metz, A. E. (2018). The influence of the number of toys in the environment on toddlers’ play. Infant Behavior and Development, 50, 78–87. オンライン公開:2017年11月27日。論文情報 / 論文全文PDF
資料確認日:2026年10月23日(日本時間)。









