この記事の要点
- 「教育用」という表示だけで、子どもが何を学べるかまでは分かりません。
- アプリを入れる前に、説明画面で「子どもは何をするのか」を一つ確かめてみませんか。
- これは選ぶときの考え方です。学習効果を保証する採点表ではなく、使い始めることや有料版の購入を勧めるものでもありません。
まず「何をするアプリ?」を確かめる
「教育用」と書かれたアプリを見つけても、それだけで「これを使えば学べる」と決めなくて大丈夫です。すでに利用を検討しているなら、紹介文や画面例から、子どもが実際にすることを一つ言葉にしてみましょう。
たとえば「数を学ぶ」と書かれていたら、「数字を押すと音声が流れるのかな」「数を見て、同じ個数の絵を選ぶのかな」と見る、という具合です。これは選び方を説明する仮の例で、特定の製品や実験結果ではありません。どちらなら必ずよく学べる、という比較でもありません。
説明を読んでも分からなければ、「何ができるのか、まだ分からない」と置いておけます。確認のためだけにダウンロードや課金を急ぐ必要はありません。

迷ったら、期待を一つに絞る
「せっかく使うなら、あれもこれも身につけてほしい」と思うこともあるでしょう。選びにくいときは、まず「今日はどんな遊びを探している?」と、目的を小さくしてみる方法があります。
ここからは、アプリを選ぶための編集部の提案です。効果が検証された手順ではありません。
- 期待すること:「文字の音を聞いて遊べるものを探している」
- 説明から分かること:「画面の文字に触れると、音声が出るようだ」
- まだ分からないこと:「この子が楽しむか、文字を覚えるかは分からない」
この三つを分けるだけでも、宣伝文と家庭での期待を同じものにせずに済みます。「楽しそうな遊びを探している」でもかまいません。すべての遊びに学習成果を求めなくてよいのです。
また、アプリの中身に興味を持ったことと、購入することは別の判断です。有料だからよい、無料だからよくない、という決め方はしません。
入れたあとに合わないと感じたら
使ってみて、説明から想像していた遊びと違ったり、子どもが気に入らなかったりすることもあります。そんなときに、「教育用なのだから続けよう」と押し切る必要はありません。
「思っていた遊びと違ったね。今日はここまでにしようか」と区切ったり、別の遊びに移ったりしてもよいでしょう。これは会話の例で、実際の親子の体験談ではありません。楽しそうなときにも、あとから問題を出して成果を確かめることを、毎回の宿題にしなくて大丈夫です。
なお、ここで扱うのは中身の選び方です。料金・自動更新・対象年齢・個人情報の扱いなどは、それぞれ別に確認する必要があります。「教育用」という表示を、安全性全体の保証と受け取らないようにしましょう。
研究から分かること、分からないこと
2021年のMeyerらの研究は、幼い子ども向けの124のアプリの設計を分析しました。主に2018〜2019年に選ばれた標本を研究者が操作し、自分で考える活動や学ぶ内容への集中などの観点から評価したものです。
研究者の基準では、学習を支える設計が十分ではないと判定されたアプリが多く、有料でも低い評価のものがありました。ただし、これは子どもが実際に何をどれだけ学んだかを測った結果ではありません。 得点は学習成果で検証された絶対的な品質判定でもなく、対象年齢の違いも評価に取り入れていません。更新されるアプリの現在の状態や、日本の市場全体にそのまま当てはめることもできません。
この研究を、今のアプリのランキングや「効果なし」の一覧にすることはできません。この記事では、表示名だけで判断せず、何をする内容なのかを見るきっかけとして紹介しています。









