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タンポポの綿毛は、すき間だらけなのにどうして飛べる?

すき間だらけのタンポポの綿毛も、空気の抵抗を受けて落ちる速さをゆっくりにします。親子で写真を眺めるときの話し方と、飛行の研究から分かること・言えないことを紹介します。

この記事の要点

  • 毛の集まりが空気の抵抗を受けるため: 落ちる速さをゆっくりにする働きがあります。
  • すき間も、しくみの一部: 一枚の布で空気を受け止める形とは違います。「全部ふさげばよい」という話ではありません。
  • 写真を見るだけでも大丈夫: わざわざ飛ばしたり、実物を探しに行ったりしなくても話せます。

目次

すき間があっても、空気は素通りではない

タンポポの綿毛がふわりと飛べるのは、細い毛の集まりが空気の抵抗を受け、落ちる速さをゆっくりにするからです。幼い子に短く話すなら、「細い毛の集まりが空気から力を受けて、ゆっくり落ちる助けになるんだよ」と伝えられます。

「でも、穴だらけだよ?」という疑問も、そのとおりです。細い毛のまわりの空気の流れは、隣の毛のまわりの流れと関わり合います。すき間があっても、空気が何の影響も受けずに通り抜けるわけではありません。〔研究〕

子どもには、難しい流れの名前まで説明しなくてもかまいません。「すき間があるのに、役に立っているんだね」。疑問に短く答えたところで、次の遊びへ移ってもよいでしょう。

写真で「毛の集まり」を見てみる

もう少し見たいときは、図鑑や手元の写真で、飛んでいる一つ分の綿毛を見てみます。以下は編集部による会話の提案で、家庭で研究の実験を再現する手順ではありません。

開いた図鑑のタンポポの綿毛の図を、保護者が指し、子どもが隣で眺めている場面。
写真や図で、綿毛の形を眺める親子のイメージ図。図鑑と植物の絵は架空のもので、研究の実測図ではありません。

「毛は、どこから広がっている?」「毛と毛の間は、つながった布みたいになっているかな?」。答えを当てさせるより、見える形を一緒に指せます。小さくて分からなければ、「この写真では見えにくいね」で終えて大丈夫です。

実物が自然に落ちているのを見かけた場合も、その場で眺めるだけにできます。採集や持ち帰りを観察の条件にせず、道路や水辺へ追いかけません。物を口に入れる子には、実物を渡さず写真で見ます。

加工して飛び方を比べる実験はこの記事では扱いません。

今日、近くで綿毛が見つからなくてもかまいません。決まった季節や場所で必ず見られるものとして予定を立てず、以前の写真を見るだけでも十分です。

研究で分かったことと、まだ言えないこと

2018年の英国の研究では、タンポポの綿毛のまわりを流れる空気を風洞で調べました。毛の集まりから少し離れた位置に、空気が循環する輪状の渦を観測しています。すき間の割合を変えた人工の円盤や計算も使い、形と流れの関係を検討しました。〔研究〕

これは「穴が多いほど、何でもよく飛ぶ」という結果ではありません。また、どの綿毛も必ず遠くまで飛ぶ、という保証でもありません。

主な測定の生物試料は10個で、栽培元をたどるとエディンバラの一株に由来します。制御した空気の流れでの実験と、条件を単純化した計算です。日本で見つかるすべてのタンポポや、その日の屋外の飛び方を確かめた研究ではありません。

子どもを対象にした研究でもないため、この観察で理科の成績や集中力が伸びるとは言えません。飛行のしくみの説明と、親子でどう眺めるかの提案は分けて受け取ってください。

参考にした研究

Cummins, C. ほか(2018)A separated vortex ring underlies the flight of the dandelion. Nature, 562, 414–418. 公表日:2018年10月17日。

原典確認日:2026年10月27日。本文と方法を確認。外部参考資料は別タブで開きます。

文:親子ジャーナル編集部