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ゲームが「やめないで」と誘う。子どもと終わり方をどう考える?

ゲームのキャラクターに引き止められたとき、子どもの「好き」と今日の遊びの区切りをどう分けて話せるでしょうか。米国で使われた133アプリの内容分析を手がかりに、声かけの一案と、研究からは分からないことを紹介します。

この記事の要点

  • ゲームのキャラクターに続きを誘われても、その言葉に合わせて遊び続ける必要はありません。
  • 「もっと遊びたい」のか、「キャラクターが気になる」のか。話せる範囲を聞き、家の区切りと分けて考えられます。
  • 研究が調べたのはアプリの設計です。声かけで必ず終えられると分かったわけではありません。

目次

キャラクターの言葉と、子どもの気持ちを分ける

終わる時間なのに、ゲームのキャラクターが続きを誘ってくる。そんなときは、「好きでも、今日は終わっていいよ」と伝える一案があります。子どもがキャラクターを好きなことまで、否定しなくて大丈夫です。ここでは、すでにスマートフォンやタブレットのゲームで遊ぶ、主に3〜5歳の子との場面を考えます。

たとえば、画面に「やめないで」と出て、子どもが「この子がかわいそう」と話したとします。これは状況を考えるための架空の例で、実際の親子の体験談や特定のアプリの表示ではありません。タイトルの「やめないで」も、続きを誘う表現を説明するための言葉です。

この場面なら、「まだ遊びたい」という希望と、「キャラクターが気になる」という気持ちを、ひとまとめにせず聞けます。「どの言葉が気になった?」と、見えた表示を一つだけ確かめてもよいでしょう。両方の気持ちがあってもかまいません。

うまく話せないときは、答えを迫らず、「続けてほしい言葉が出ているね」と大人が短く添えるだけでも。子どもが言っていないのに、「かわいそうだからやめられないんだね」と理由を決める必要はありません。

画面が誘っていても、今日は終えてよい

ここからの声かけや対応は、家庭での選択肢としての編集部の提案です。研究で効果が確かめられた手順ではありません。

「これはゲームの続きを誘う言葉だね。好きでも、今日はここで終わっていいよ」。キャラクターへの気持ちを受け止めながら、画面の誘いに応えるかどうかと、今日の遊びの区切りを分けて話せます。現実の友だちと交わした約束と、ゲームの中に用意された誘いを、同じように扱わなくてよいのです。

終える操作が難しそうなら、「終わるところは手伝うね」と大人が手を貸す方法もあります。急いでいる日は、長い説明を省いてかまいません。表示を確かめ直すために、いったん閉じたゲームを再開する必要もありません。

一方で、「明日も必ず同じ状態で待っているよ」といった約束は、仕組みが分からなければしないようにします。ゲーム内で何が残るかを保証するより、「今日はここで終える」と、家庭で決められることを伝えられます。

テーブルの端末に映る架空のキャラクターを見ながら、遊びの終わりについて穏やかに話す親子。
ゲームの終わりを親子で話す場面のイメージです。人物・画面は架空で、研究の観察場面や効果を示す図ではありません。

次に遊ぶときは、終えやすさも選ぶ手がかりに

同じ誘いが気になって、終えるたびに親子の負担が続くなら、そのアプリをしばらく休むことも選べます。子どもを「約束を守れない」と責めるためではなく、今の生活の中で扱いやすい遊びに変える、という考え方です。

次に遊ぶものを決めるときは、すでにある遊びの中から、区切りをつけやすいものを選んでもよいでしょう。新しいアプリを探したり、有料版を買ったりすることを、解決の条件にしなくて大丈夫です。

話してもすぐに納得しない日はあります。一度で終えられたかどうかを、親の説明の上手さや子どもの意志の強さの採点にしないことも、この提案で大切にしたい点です。

研究が調べたのは、子どもの反応ではなく表示の設計

2022年に発表されたRadeskyらの研究は、米国の3〜5歳の子ども160人が自分用の端末で使ったアプリを調べたものです。利用時間が長いものを子ども1人につき最大3件選び、重複を除いた133アプリを、大人の評価者2人が、1アプリにつき10〜15分操作して分類しました。分析は2021年4〜8月に行われました。[1][2]

そのうち33アプリで、キャラクターが続行を促したり、やめることへの不満を示したりする設計が見つかりました。33という数はアプリの件数で、「33人の子どもがやめられなかった」という結果ではありません。[1]

これは、アプリの内容を調べる研究です。子どもがその表示をどう受け止めたか、終了がどの程度難しくなったか、家庭の声かけが役立つかは測っていません。利用時間の長いアプリに絞った標本なので、現在の日本の全アプリの割合にも当てはめられません。[1]

この研究だけで、その子が終われない理由は決まりません。画面が何を誘っているかを一つ見て、子どもの気持ちと、今日の暮らしの区切りを別々に考える。そのくらいから始められます。

出典・関連記事

[1] Radesky, J., et al.(2022)“Prevalence and Characteristics of Manipulative Design in Mobile Applications Used by Children.” JAMA Network Open, 5(6), e2217641. 原著全文(2022年6月17日公開、DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2022.17641)。

[2] Radesky, J. S., et al.(2020)“Young Children’s Use of Smartphones and Tablets.” Pediatrics, 146(1), e20193518. 原著全文。対象集団の募集地域・方法を確認した資料です。