寝る前のスマホで困っているなら、「何時まで」という決まりに加えて、寝床に入ったあとも見続けていないかを一緒に確かめる方法があります。必要な連絡やアラームを残しながら、画面を閉じる区切りと置き場所を相談してみましょう。
全員に同じ時刻や置き場所を勧める記事ではありません。主に小学校高学年から中学生くらいの子を想定し、研究で分かったことと、家庭で選べる日常の工夫を分けて紹介します。
この記事の要点
- 「寝る前に使った時間」と「寝床に入ってから使う時間」を分けると、相談する場面を絞れます。
- 置き場所や通知の扱いを変えるなら、家族への連絡、アラーム、必要な支援機能を先に確認します。
- 11〜14歳を調べた観察研究では、寝床での画面利用と睡眠時間の短さに関連がありました。置き場所変更の効果や、睡眠障害の治療を確かめた研究ではありません。
目次
「寝る前」と「寝床に入ってから」は別の場面
夕食後に友だちへの返事をする、明日の時間割を確認する、布団の中で動画を見続ける。同じ夜のスマホでも、終わり方を相談したい場面は違います。
「もう寝たはず」と親が思っていても、子どもは寝床で続きを見ているかもしれません。こっそり確かめるより、「布団に入ってから、どんなことをしている?」と聞くところから始められます。
一日の使用時間を細かく監視しなくても、本人が「つい続く」と感じる場面が分かれば話し合えます。まずは、眠ろうと思う時刻と、最後までしておきたい用事がぶつかっていないかを確認しましょう。
置き場所は、必要な使い道を聞いてから
ここからの工夫は編集部の提案です。どの場所に置けば何分長く眠れる、と実験で確かめられた方法ではありません。今の暮らしに合うものがあれば、相談の材料にしてください。

アラームや連絡を、まとめて失わないようにする
スマホを寝室の外へ出す前に、何に使っているかを確かめます。目覚まし、離れて暮らす家族への連絡、健康や障害に関する支援など、画面を見る以外の役割があるかもしれません。
「外へ出す」が合わなければ、画面を閉じてベッドから少し離れた棚に置く、寝床に入る前に必要な確認を済ませるなど、別の形を考えられます。支援に必要な機器や機能は、この記事を理由に止めないでください。
通知を変えるなら、届く必要がある連絡も確認
急ぎでない通知が気になって開くなら、その時間帯の通知をどう扱うかを相談できます。親の側も、寝る時間に返事を求める連絡を送らずに済むか考えてみましょう。
通知の扱いを変更する場合は端末の案内に従い、残したい連絡やアラームなどの機能が使えることを確かめます。この研究は通知を切る効果そのものを調べたものではありません。
「あと少し」の前に、終わる区切りを相談する
ゲームの途中、会話の最中、動画の続き。子どもにとってはそれぞれ、止めにくい理由が違います。「今すぐ閉じて」と言う前に、何を終えたいのかを聞けると、翌日からの使い方を考える材料になります。
- 動画なら:寝床に持ち込む前に、どこで一区切りにするかを話す。
- ゲームなら:寝る支度の直前に新しい対戦などを始めるか、本人と相談する。
- 友だちとの連絡なら:返事を翌日に回してよい用件と、助けが必要な用件を分ける。
これらは、楽しみを一律になくすための決まりではありません。「今日はここで終えるつもりだったけれど、難しかった」と言える余地も残します。親の都合で連絡を待ってもらっていた日は、その事情も含めて見直せます。
動画が自動で次に進むなら、自動再生の設定を確かめる方法もあります。設定を変えることと、本人が続きを見たい気持ちは、別々に扱ってかまいません。
11〜14歳の夜を実測した研究では
2024年9月公表のニュージーランドの原著研究では、11〜14歳の79人について、夜の画面利用をカメラ、睡眠を手首の活動量計で測りました。2021年に、原則として1週間のうち連続しない4晩を調べた観察研究です。スマホだけでなく、テレビなど複数の機器を含みます。
寝床に入る前2時間の画面利用は、多くの睡眠指標と明確な関連がありませんでした。一方、寝床に入ったあとの画面利用、とくにゲームなどの操作を伴う活動や複数のことを同時にする使い方は、睡眠時間の短さと関連していました。
ただし、使用を禁止する群を作った実験ではなく、関連を調べた結果です。対象年齢が狭く、保護者の教育歴に偏りがあり、ほかの要因の影響も否定できません。「寝る前なら自由に使っても影響しない」「寝床から出せば必ず眠れる」という結論にはできません。
研究の結果は、夜の使い方を一つの合計時間だけで判断しないための手がかりです。個別の子どもに必要な睡眠時間や、睡眠障害の有無を判定するものではありません。
見直すときは、本人の困りごとも一緒に
置き場所や終わり方を変えたら、親が「守れたか」だけでなく、本人がどう感じたかも聞いてみましょう。「連絡で困らなかった?」「朝の支度はどうだった?」など、生活の中のことから話せます。
眠れないことをすべてスマホのせいにすると、学校のことや体調など、別の困りごとを話しにくくなるかもしれません。強い眠気や眠れなさが続き、生活に支障がある場合は、端末の取り上げだけで解決しようとせず、かかりつけ医などに相談してください。
今夜できることを一つ選ぶなら、「寝床に入る前に、残っている用事はある?」と聞くところから。研究の結果を、子どもを責める材料ではなく、親子で選び直す材料に使っていきましょう。
一次資料
Brosnan Bほか(2024). Screen Use at Bedtime and Sleep Duration and Quality Among Youths. JAMA Pediatrics, 178(11), 1147–1154. DOI: 10.1001/jamapediatrics.2024.2914. 2024年9月3日オンライン公開。
資料確認:2026年10月20日。日常の利用環境を考える記事で、睡眠障害の診断・治療の提案ではありません。









