子どもがSNSを見ていると、「友だちと直接遊ぶ時間が減るのでは」と気になるかもしれません。まずは、画面を見ていた長さだけで決めず、会いたい友だちに会えているか、本人が今のつきあい方をどう感じているかを聞いてみます。
「今週、誰かと会って楽しかったことはあった?」「会いたいけれど会えない人はいる?」。主に小学校高学年から高校生なら、こんな一言から始められます。SNSの中身をすべて見せてもらうことが、会話の前提ではありません。
この記事の要点
- 画面と対面を、すぐに二者択一にしない。 SNSの話題が、友だちと会う予定につながっている場合もあります。
- 本人の希望と、実際の機会を分けて聞く。 会う回数の多さより、「会いたいのに会えない」がないかを確かめます。
- 変えるなら、困っている場面を一つ。 予定を逃す、会っている間も返信が気になるなど、具体的な場面から相談します。
目次
「誰と何をしている?」を、取り調べにしない
同じSNSでも、部活の仲間と次の練習を確認するときと、知らない人の投稿を次々に見るときでは、していることが違います。外から見えるのは「スマホを触っている」という姿だけなので、まず用途を一つ聞きます。
たとえば、「友だちと話しているところ? それとも見たいものを見ている?」。子どもが答えにくそうなら、その日は会話を切り上げてもかまいません。返信や投稿をその場で見せるよう迫らなくても、本人の説明から分かることがあります。
親も「ずっとSNSをしているように見えて、遊ぶ時間があるのか心配になった」と、自分が心配した理由を短く伝えられます。「友だちがいなくなるよ」と先の結果を決めつけるより、今の生活について話す形にします。
会う回数より、本人が望むつきあいができているか
放課後に予定が少ない週があっても、それだけで問題とは決まりません。一人で過ごしたい日も、部活や家の予定が重なる日もあります。親の理想の遊ぶ回数を当てはめず、本人の希望と、予定を合わせる難しさを分けてみます。
- 会いたい相手はいるけれど、日程や移動の都合で会えない。
- SNSでは話せていて、次に会う予定もある。
- 誘われても疲れているので、今は一人の時間が欲しい。
- 会いたいのに誘い方が分からず、予定が決まらない。
それぞれ、必要な手助けは違います。日程の問題なら送迎できる日を伝える。誘い方なら「今週末、一緒に遊べる?」といった短い言い方を一緒に考える。本人が望んでいないのに、親が友だちへ連絡して予定を作るところまで進める必要はありません。
SNSを減らす前に、残したい時間を一つ決める
使い方を変えたいときは、「SNSをしていいか、だめか」だけで話すと、友だちとの連絡まで同じ扱いになりがちです。先に「何をできるようにしたいか」を具体的にします。
たとえば、遊びに出かける支度が遅れるなら、「出発前に必要な連絡を確認したら、支度の間は置いておく」。友だちと会っていても返信が気になるなら、「一緒にいる間に返信が必要なのか、後でもよいのか」を本人と考えます。
この場で、学校の連絡、友だちとの相談、急ぎでない投稿の閲覧を全部整理しきらなくても大丈夫です。いま困っている場面に合う小さな変更を一つ選び、合わなければ変えます。
逆に、対面の予定も本人の楽しみも保てているなら、親がSNSを好まないという理由だけで、新しい課題を作らなくてかまいません。会話は監視のためではなく、必要な手助けを見つけるために使います。

研究では、投稿などの増加と対面交流の小さな増加が関連
2024年の研究では、ノルウェーの812人を10〜18歳の間、2年ごとの5時点で調べました。主なSNS指標は投稿・コメント・「いいね」の頻度です。これらが増えたとき、その後の対面交流日数の指標もわずかに増える関連がありました。友だちの人数が増えた、という結果ではありません。原著論文
これは観察研究で、SNSが交流を増やしたと断定できません。対面交流は直近7日間の質問から測り、SNS利用も主に本人への聞き取りです。最初の調査は2013〜2015年で、現在のサービスとは環境が違います。「長くスクロールするほど友だちづきあいがよくなる」という意味には読めません。
研究が確かめたのは、特定の集団での平均的な関連です。目の前の子がどう過ごしたいかは、別に聞く必要があります。SNSを減らすこと自体をゴールにせず、本人が大切にしたい関係と時間を一緒に確かめる材料として受け止められます。
今日の一言は「会いたい人に、会えている?」
いろいろ聞く余裕がない日は、「最近、会いたい友だちには会えている?」の一言だけでも十分です。答えが「うん」なら、詳しい説明を求めず終えてもかまいません。
「本当は会いたいけど」と話し始めたら、SNSの使用時間の話を急がず、何が予定を難しくしているかを聞きます。親がすぐ解決できなくても、「そこが困っていたんだね」と確かめたところで、その日の会話を終えられます。
一次資料と編集方針
Steinsbekk, S., Björklund, O., Valkenburg, P., Nesi, J., & Wichstrøm, L. (2024). The new social landscape: Relationships among social media use, social skills, and offline friendships from age 10–18 years. Computers in Human Behavior, 156, 108235. 2024年4月5日オンライン公開。大学リポジトリ掲載の原著全文/DOI。確認日:2026年10月20日。
本文の声かけや家庭での工夫は、研究を踏まえて編集部が考えた提案です。その方法の効果を、この研究が直接確かめたわけではありません。できそうなものがあれば、一つから試してください。









