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時計は読めるのに「あと何分」が難しい。どこから考える?

時計は読めるのに「あと何分」が難しいときは、今と終わりの間を一緒に見られます。時刻と時間の違い、図の使い方、急ぐ日の伝え方を紹介します。

この記事の要点

  • 「何時」と「どれくらい」を分ける: 「今は3時10分」と「あと20分」は違う問いです。時計が読めることだけで、残り時間も分かるとは決めません。
  • 今と終わりを示し、その間を見る: 時計や紙の線で、始まりと終わりの二つに印を付けます。難しければ大人が一緒に数えられます。
  • 急ぐ場面では、計算より案内を: 出発前に問題を解かせなくても大丈夫です。必要な行動を伝え、時間の話は余裕のあるときにできます。

目次

「3時10分」とは読めるのに、「3時30分まで、あと何分?」には困ってしまう。そんなときは、「時計を読めるでしょう」と繰り返すより、今の時刻と終わりの時刻を示し、二つの間を一緒に見てみます。

時計が示す一つの時点を読むことと、その間の長さを求めることには、違う考え方が必要です。ここでは、小学生が暮らしの中で「あと何分」を考えるときの手がかりを紹介します。

「3時30分」と「20分間」は、何を表している?

「3時30分に出発する」は、出発する時点を示しています。「出発まで20分ある」は、今から出発までの間の長さを示しています。前者が時刻、後者が時間です。

日常ではどちらも「時間」と呼ぶため、言葉だけでは区別しにくいことがあります。「何時に始まる?」と「始まるまで、どれくらい?」を分けて聞く方法があります。

文部科学省の算数の解説でも、時刻の読み方と、時間の単位や経過した時間は、分けて扱われています。時間は、ある時刻から別の時刻までの間隔の大きさとして説明されています。算数編の解説

「時計が読めるのに、どうして?」と考えるより、今はどちらの問いで迷っているのかを見られます。学校で使っている時計や図があれば、同じものを使うと話を合わせやすいでしょう。

始まりと終わりの二つに、印を付ける

例えば、今が3時10分、出発が3時30分なら、まず二つの時刻を示します。紙に線を引き、同じ間隔で3時10分、15分、20分、25分、30分と書く方法があります。

「今はここ。出発はここ」と両端を指し、その間を5分ずつ進みます。10分から15分で5分、次で10分、と一緒に確かめられます。印の数ではなく、印と印の間の長さを数えるところがポイントです。

時計の長針を使っても構いません。どちらが見やすいかは、本人の様子や学校での学び方に合わせられます。新しい教材を買ったり、毎日図を作ったりする必要はありません。

大人と小学生の子どもが、机の上の時計と紙の帯を一緒に見ている
「何時」と「どれくらい」を、別々に見てみます。

3時50分から4時10分のように時をまたぐ場合は、4時で区切る案があります。「4時まで10分、その後10分だから、合わせて20分」と、途中の目印を使います。

ただし、まだ難しいなら、時をまたがない例に戻せます。一度に分と秒、午前と午後、何時間も先の予定まで扱わなくて大丈夫です。

暮らしでは、何を知りたいのかを先にそろえる

似た言い方でも、求めるものは違います。子どもが答えに迷ったら、どこを知りたいのかを短く言い換えられます。

終わる時刻を知りたい

「今は3時10分。20分たったら、何時かな」。始まりから、時間の長さだけ先へ進みます。

かかった時間を知りたい

「3時10分に始めて、3時30分に終わったね」。終わってから、二つの時刻の間を見ます。

残り時間を知りたい

「今から、3時30分までの間を見よう」。今いる時点が変われば、残り時間も変わります。

「20分あれば、この工作が終わる?」は、さらに別の問いです。残り時間が計算できても、作業にどれくらいかかるかは分からないことがあります。「途中までになったら、ここに置いて出かけよう」と、終わらない場合の予定を決める方法もあります。

毎回ぴったり見積もれることを、時間を理解した証拠にしなくて構いません。大人にも、予定どおりに終わらない用事はあります。

出発直前は、時間のテストをしなくていい

急いでいるときは、「あと何分か考えて」より、「今は靴を履こう」「続きは帰ってからにしよう」と、必要な行動を伝えられます。

タイマーを使うなら、何の合図かを先に決めます。「鳴ったら片付けを始める」のか、「鳴ったら家を出る」のかで、その前に必要な準備は変わります。タイマーだけで、時刻や時間の意味まで伝わるとは限りません。

余裕のある日に、終わった遊びの開始時刻と終了時刻を一度見てみる。そんな短い機会でも、暮らしと時間の言葉をつなげられます。嫌がる日は、学習の機会に変えずに過ごして構いません。

公的資料が示している範囲

文部科学省の解説は、学校での学習内容と指導の考え方を説明した資料です。時計の模型や数直線を使い、針が進んだ目盛りや時刻の間を見ることを示しています。この記事の3時台の例や声かけは、それを踏まえた編集部の提案です。

家庭でこの方法を使えば何日で分かる、という実験結果ではありません。また、学年ごとの記載を、その年齢の子が全員同じようにできるはずだという判定にも使えません。

宿題などで困り続けているなら、「時刻は読めるが、二つの時刻の間を求めるところで迷う」と、具体的に先生へ相談できます。「時間が分からない」と一まとめにせず、今できるところと、手を借りたいところを分けて伝えられます。

参考資料

  • 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』本文93〜94ページ、124〜125ページ、166〜167ページ。原文PDF

資料確認日:2026年10月13日

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