この記事の要点
習った解き方を使うことと、その問題に合う解き方を選ぶことは、分けて考えられます。本人が復習の仕方を変えてみたいなら、今ある教材の、習った内容を混ぜた復習問題を使う選択肢があります。新しい問題を増やしたり、親が毎回出題したりする必要はありません。
- 手順を使うことと、手順を選ぶことを分けて見る: 例題に続く問題と、種類が混ざった問題では、解き始める前に考えることが違います。
- 試すなら、既に習った内容の復習欄から: 本人が使ってみたいときの選択肢です。迷ったら例題や解説に戻れます。
- 家庭での効果が保証された方法ではない: 学校での研究を参考にできますが、毎日の追加課題や親の確認を求めるものではありません。
ここでは、中学生の子どもが「やり方を教われば解けるけれど、どれを使うか迷う」ときの、復習の選び方を考えます。
同じ式でも、求めるものが違う
一次方程式と式の値を既に習った場合を、説明のための例にしてみます。
- 「3x+2=11となるxを求める」なら、方程式を解きます。
- 「x=3のとき、3x+2の値を求める」なら、式に3を代入して計算します。
似た式があっても、前者ではxを見つけ、後者では与えられたxを使います。同じ種類の問題が続けば、直前と同じ手順で進められることがあります。種類が混ざると、「今回は何を求めるのか」を見てから手順を選ぶ必要があります。
この例は研究で使われた問題ではありません。問題が混ざった途端に止まっても、それだけで理解不足や努力不足と決める必要はありません。
試すなら、今ある復習欄を使う
教科書や問題集に、複数の種類を含む復習欄があれば、本人が取り組んでみたいときに使えます。まだ習っていない内容まで混ぜたり、学校から指定された課題の順番を変えたりする提案ではありません。

声をかけるなら、例えば「何を求める問題で、どの方法が使えそう?」。先ほどの例なら、「xを見つけるのか、xを式に入れるのか」を考えられます。毎問説明させる決まりにせず、本人が一人で考えてもかまいません。
方法を選べても途中の計算で止まるなら、その手順を例題で確かめる。どの方法か迷うなら、解説で問題と解き方の対応を見る。こう分けて考えると、答えが合ったかどうかだけでなく、戻る場所を選べます。内容そのものが分からないときは、混ぜ方を工夫するより、授業の説明や先生への相談に戻れます。
これらは家庭で使うための提案で、後で紹介する研究が、この声かけや家庭での手順を直接検証したわけではありません。
学校の研究で確かめられたこと
米国フロリダ州の第7学年で、学級を無作為に二つの条件に分けた研究では、同じ問題群でも混ぜた練習が多い群の後日の得点が高くなりました。授業では解答確認と修正も行われました。ただし、テストは種類ごとにまとまった形式で、混合テストや方法選択の力を直接測った結果ではありません。原著論文
研究の結果を、家庭の宿題に直結させない
練習の間隔も変わり、思い出す機会が増えた可能性もあるため、方法選択だけの効果は切り分けられません。練習時間は未測定で、同じ時間で効率が上がるとも言えません。
対象は地域で一般的な一つのコースに限られ、全ての学力層を含みません。実年齢は報告されておらず、家庭や日本の学校での効果も未検証です。研究上の注意点
習い始めの練習を全部混ぜる必要はなく、分からなければ例題に戻れます。疲れている日に、復習を足す必要もありません。
参考文献
Rohrer, D., Dedrick, R. F., Hartwig, M. K., & Cheung, C.-N.(2020). A randomized controlled trial of interleaved mathematics practice. Journal of Educational Psychology, 112(1), 40–52. 雑誌掲載:2020年1月、オンライン公開:2019年。
- 論文情報・DOI
- 著者原稿全文(ERIC、PDF):対象・方法は本文11〜18ページ、結果は18〜20ページ、解釈と限界は21〜23ページ。
- 米国教育省 What Works Clearinghouseによる研究評価:この学校での研究に対する評価であり、家庭での実施方法への認定ではありません。
資料の最終確認:2026年10月20日。









