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復習は、読み返すだけでいい? 小学生の「思い出す」を助ける工夫

読んだことが、教科書を閉じると出てこない。復習の一部で試せる「思い出す練習」と、手がかりの添え方を紹介します。小学生の実験で分かった条件を整理し、親の出題負担を増やさない方法を考えます。

この記事の要点

  • 一部分だけ隠して、思い出してみる: 読んだ内容がある程度分かったら、見出しや短い問いを残し、答えを見ずに取り出す方法を試せます。
  • 何も出てこなければ、手がかりを戻す: 範囲を狭める、最初の言葉を添える、本文をもう一度見る。「全部思い出して」で止まったままにしなくて大丈夫です。
  • 問題数を増やす前に、復習の一部を入れ替える: 今ある読み返しの時間の一部で試す選択肢です。親が毎晩テストを作る必要はありません。

目次

教科書を読んでいる間は「分かった」と言うのに、閉じて聞くと出てこない。小学生の復習を見ていて、そんな場面に出会うことがあります。

読み直すことに加えて、いったん答えを見ずに思い出す時間を入れる方法があります。研究では「検索練習」や「想起練習」と呼ばれます。ここでいう検索は、インターネットで探すことではなく、記憶から取り出すことです。

ただ、「さっき読んだことを全部言って」でうまくいくとは限りません。小学生を対象にした実験は、思い出すための支え方も重要だと示しています。この記事では、主に小学校中学年以降で、既に学んだ言葉や短い説明を復習する場面を考えます。

最初から全部を思い出させなくていい

家庭で試すなら、教科書を一章まるごと閉じる前に、短い範囲を選びます。たとえば授業で扱った見開きのうち、見出し一つの部分。内容を読んで確かめたあとに、説明だけを隠してみます。

教材の一部分を紙で隠した小学生が、読んだ内容を短く話し、隣の大人が聞いている場面。
一部分を隠して思い出してみる。難しければ、また教材へ戻れます。

残した見出しを見て、「ここには何が書いてあった?」と一つ思い出す。長い説明を求めず、単語や短い言葉から始められます。もともと教材に確認問題があるなら、それを使う方法もあります。

ここで区別したいのは、「初めてのことを理解する時間」と「分かったことを取り出してみる時間」です。言葉の意味が分からない、本文が難しくて読めない場合には、隠す前に説明や読み直しが必要です。

思い出せない様子を見て、努力不足と決める必要はありません。内容がまだ分かっていないのか、範囲が広すぎるのか、問いが曖昧なのか。まず変えられる部分を探します。

手が止まったら、問いを小さくする

小学生の研究では、白紙に自由に思い出して書く課題で、ほとんど書けない子どもが多くいました。一方、内容に沿う質問などを用意した課題では、思い出せる量が増えています。原著研究1

家庭では、次のように負担を調整する方法が考えられます。これらは研究を参考にした例で、各手順の効果を家庭で直接確かめたものではありません。

範囲が広すぎるとき

「このページ全部」から「この見出しのところ」へ。何について思い出すのかを絞ります。

言葉の出だしが出てこないとき

最初の文字や、言葉の種類を手がかりにします。それでも難しければ、答えを一緒に見ます。

内容そのものが分からないとき

いったん本文や図に戻ります。意味を確かめてから、別の日や別の問題で試しても構いません。

手がかりを使うことは、復習の失敗ではありません。何も思い出せないまま問いを繰り返すより、取り出せそうな形に変えてみます。

答えを確認するときは、合っていた部分と抜けた部分を本文で確かめれば十分です。間違いを覚えたまま終えないよう、分からなかった言葉は見直します。確認後にその場で何度も言い直させるかどうかは、本人の疲れや課題の量も見て決められます。

親が「出題係」を続けなくてもできる

この方法は、家庭に新しい小テストを増やすためのものではありません。いつも何回か読み返しているなら、その一部を、答えを隠して思い出す時間へ置き換える考え方です。

本人が使いやすければ、紙で説明を隠す、既存の問題の答え欄だけ隠す、見出しを見ながら短くメモする、といったやり方を選べます。立派な単語カードや専用アプリを用意することは前提ではありません。

口で答えるか、書くかも、そのときの目的に合わせて考えられます。ただし、後半の実験は書く課題を使っており、家庭で口頭に替えた場合に同じ効果が出ると確かめたわけではありません。漢字を書く学習など、書くこと自体が目標なら、その練習は別に必要です。

保護者が関わるとしても、最初にやり方を一緒に試し、続けやすいか聞く程度から。宿題の指定がある場合はそれを確認し、家庭の判断で課題を省くこととは分けてください。

研究で分かった「思い出す練習」の条件

2016年の米国の研究では、公立小学校の4年生、計88人が三つの実験に参加しました。24語のリストを学んだあと、一部の語は答えを見て再学習し、残りは「果物」という分類と最初の文字などを手がかりに思い出しました。

その後すぐに行った記憶の課題では、思い出す練習をした語の成績が高くなりました。自由に書き出す実験では、想起練習/再学習の順に55%/44%、別の実験では42%/28%でした。これは、既知の英単語リストを短い時間で覚える課題の結果です。家庭学習全体の点数がこの割合で上がる、という意味ではありません。原著研究2

同じ研究チームの2014年の研究では、教科に関する短い文章も調べています。9〜11歳85人を分析した実験3では、文章を見ながら質問に答え、次は文章を見ずに同じ問いへ答えた条件と、文章を読み返す条件を比較しました。直後に思い出して書けた内容の割合は、前者が平均40%、後者が28%でした。原著研究1・実験3

一方、この2014年論文の実験1では、手助けの少ない自由想起で最初に取り出せた内容が非常に少なく、後日の成績に明確な優位がありませんでした。「見ないで答えさせれば何でもよい」とは言えない理由です。

成績の保証ではなく、復習の選択肢として

紹介した良い結果は、限られた教材を使った学校での実験で、主に短期の記憶を測っています。日本の教科書、低学年、計算の手続き、長い読解などに、同じやり方がそのまま合うとは限りません。理解するための授業や、必要な説明を置き換えるものでもありません。

家での目安は、たくさん間違わせることより、少し支えがあれば思い出せる範囲があるかどうかです。難しければ読み直しへ戻り、疲れていたらそこで終える。親子でぶつかる時間が増えるなら、その方法にこだわらず、先生に教材の使い方を相談できます。

「もう一回読んで」しか選択肢がなかったところに、「一つ隠して、思い出してみる」を加える。そのくらいの小さな試し方からでよいでしょう。

参考文献

参考資料へのリンクは別タブで開きます。

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