この記事の要点
- 知りたいことを、一つの問いにする: 「昆虫について」なら、体のつくりか、食べ物か。今どこで止まっているかを一緒に確かめます。
- 同じ探し方で進まなければ、別の手を選べる: 読みやすい本へ替える、先生や図書館で聞くなど、答えを丸ごと渡す以外の手助けがあります。
- 見つけた答えと、出所を一緒に残す: 本の名前とページ、ウェブページの運営者やURLなど、あとから戻れる情報を残しておきます。
目次
学校の調べ学習で、検索結果や本を開いたまま手が止まっている。「調べれば分かるよ」と言ったものの、何を手伝えばよいか迷うことがあります。
調べる道具はあっても、知りたいことが広すぎたり、説明に知らない言葉が多かったりすると、先に進みにくいものです。答えを親がまとめる前に、問い、使う資料、聞く相手のどこかを変えてみる方法があります。
この記事では、主に小学校中学年以降の調べものを想定しています。ネットを使うかどうかは学校や家庭の決まりに合わせ、使わない場合にも、本や人を頼る形で考えられます。
「何について」から「何を知りたい」へ
「昆虫を調べる」と決まっていても、種類、体のつくり、食べ物、住む場所と、調べられることはたくさんあります。
まずは「今、何が分からない?」と聞き、本人の言葉から問いを一つにしてみます。「テントウムシは何を食べるのか」なら、探すページや説明を選ぶ手がかりになります。大人が最初から立派なテーマに仕上げる必要はありません。
すでに資料を開いているなら、「ここは分かった」「この言葉が分からない」と分ける方法もあります。知らない言葉を調べたいのか、図の意味を知りたいのかで、次に見るものを考えられます。
国際子ども図書館の調べ方案内でも、大まかなテーマから事典などを使って詳しい問いへ絞ることや、調べる途中でテーマを変える方法を紹介しています。中高生向けの案内ですが、保護者が調べ方を確かめる資料としても使えます。国際子ども図書館「調べものをする」
学校からテーマや調べ方が指定されているときは、その範囲を確認します。課題の条件そのものが分からないなら、検索を続けるより先生に聞くほうがよい場合もあります。
道具を替えることも、調べる途中の一つの手
検索を何度も繰り返しても、難しい説明ばかりが出てくる。そのときは、同じ言葉を入れ続ける以外の手を考えられます。
図鑑の見出しや図を見たいのか、基本の言葉を辞典で確かめたいのか、図書館で関連する本を教えてもらいたいのか。「今、必要なのは何だろう」と本人と選びます。
人に聞くときも、「答えを教えて」だけでなく、「ここまでは分かったけれど、この言葉が分からない」と伝える方法があります。親がその分野に詳しくなければ、一緒に質問を短くするところまで手伝えます。

人に聞いた内容も、必要に応じて本や公的機関の解説へ戻って確かめられます。ネット、本、人のどれか一つが、いつも正しいと決める必要はありません。
以下は編集部による具体例です。後半の研究が、それぞれの方法による学習効果を確かめたわけではありません。
同じことを調べ続けて疲れたときは、いったん終え、次に確かめたい問いだけ残す方法もあります。家庭で新しい調べ課題を足すのではなく、いま必要な部分を進めるための工夫です。
見つけた情報は、あとから戻れる形にする
調べている途中は分かったつもりでも、まとめるときに「どのページに書いてあった?」となることがあります。
本なら題名とページ、ウェブページなら運営者やURLなど、見た場所に戻れる情報を、内容のメモと一緒に残します。提出する参考文献の書き方は、学校の指定に合わせます。
ウェブの説明を使うときは、誰が書いたのか、何を根拠にしているのかも見ます。国際子ども図書館の案内は、検索結果の先頭をそのまま信用するのではなく、複数の情報源を比べることや、専門的な機関の資料を確認することを勧めています。情報源を選ぶための案内
親子で最初にできるのは、一つ見つけた説明について「どこに書いてあった?」と戻ってみることです。ページ数や検索回数を増やすことを、頑張りの目安にしなくて構いません。
小学4・5年生の研究では、行き詰まったら方法を変える答えも
Goldsteinらが2026年に発表した研究では、アルゼンチンの3校の小学4・5年生131人を対象に、調べ学習を想定した個別面接を行いました。正確な年齢は収集していません。
子どもは、未知の言葉と、ある程度なじみのある地震の仕組みについて、それぞれ「3時間後の発表に向けて、どう学ぶか」を尋ねられました。情報源の選択を比較できた123人では、人に聞くより、ネットや本を使うという答えが多くありました。
その後、行き詰まったらどうするかを聞くと、最初にネットや本を選んだ場合のほうが、学び方を変えると答える傾向がありました。ただし「変える」には、人や別の資料を頼るほか、休む、まとめ直すなどの答えも含まれます。原著研究
ここで調べたのは、仮の場面で「自分ならどうする」と答えた内容です。実際に検索させた実験ではなく、方法を変えた子のほうが理解できた、と確かめた研究でもありません。
調査は2022〜2023年で、いまの検索サービスや生成AIの使い方全体を扱ったものではありません。日本の小学生の行動や、どの情報源が最もよいかも、この結果だけでは決まりません。
親が答えを知らなくても、次の探し方を一緒に考えられる
この研究から家庭へ持ち帰れる問いは、「最初に何を使ったか」に加えて、「進まないとき、ほかに使える手はあるか」です。親が常に正しい資料を用意するという意味ではありません。
「この言葉が分からないんだね」「学校の図書室で聞けそうかな」と、困っている部分を短くする。見つけたページを残す。今日は終えて、次の質問を決める。必要なところだけ付き合うこともできます。
調べ学習を全部ひとりで終えることと、親が全部まとめることの間には、いくつもの手伝い方があります。本人の問いを残しながら、次に頼れる資料や人を一つ見つけてみましょう。
参考文献
- Goldstein, J., Gattei, C. A., & Calero, C. I. (2026). Children’s learning preferences for platforms and human informants. Scientific Reports, 16, 25371. DOI: 10.1038/s41598-026-56368-x
- 国立国会図書館 国際子ども図書館. 調べものをする. 「調べる・学ぶ・読む」中高生向けサイト。2026年10月13日確認。
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