紙をくしゃくしゃにするときの「パリッ」という短い音には、紙の面が急に別の形へ変わるときに出るものがあります。こすれる音だけではないのです。子どもには「紙の一部分が、ぱっと形を変えるときにも鳴るんだね」と話せます。[1]
この記事の要点
- 折り目で区切られた紙の面が、急に形を変えると短い音が出ることがあります。
- 聞こえる音には摩擦音も混ざりえます。音一つを、新しい折り目一本と結びつける必要はありません。
- 気になったら不要な紙一枚をゆっくり動かす程度で。音を出して確かめることは必須ではありません。
ゆっくり動かしても、紙は一瞬で形を変える
一度丸めた紙を広げると、折り目に囲まれた、大きさの違う面が見えます。紙の端を動かすと、それぞれの面がいつもなめらかに曲がるとは限らず、ある瞬間にぱっと別の形に移ることがあります。[1]
1996年のHouleとSethnaの研究は、この急な形の変化に伴う短い音を調べました。丸めてから広げた紙にゆっくり力を加える観察では、一つひとつの短い音を、面の形の変化にたどることができたと報告しています。[1]
手はゆっくり動いていても、紙の一部は一瞬で動く。その違いが、この音を考える手がかりです。「音がしたから紙が破れた」「折り目が一本増えた」とは限りません。研究者も、折り目ができること自体が直接音を生むようには見えないと述べています。[1]
気になったら、不要な紙一枚で眺めてみる
ここからは、編集部による会話と観察の提案です。子どもの学習効果が確かめられた方法ではありません。
使ってよいと確認した、金具や硬い添付物のない不要な紙が一枚あれば十分です。すでにくしゃくしゃになった紙を、大人と一緒に机の上で軽く広げ、耳から離したまま、端を持ってゆっくり形を変えてみます。紙を口へ運ぶ子には渡さず、大人が見せるだけにします。
「ずっと同じ音かな」「短く鳴ったとき、紙はどう動いたかな」。聞こえたことや見えたことを、気づいた範囲で話せます。音が鳴らなくても、動いた場所が分からなくても、やり直しを重ねなくて大丈夫です。
音が嫌な人がいれば、そこで止めます。大きな音を出そうとせず、紙を破ったり、小さな球に丸めたりする必要もありません。紙の折り目を眺めるだけ、その日は試さず話を読むだけでもかまいません。

「パリパリ」を、全部同じ原因にしない
手で丸めると、紙と手、紙同士がこすれる音も混ざりえます。研究では、紙の両端を円筒に固定し、固定していない縁同士が触れる前まで小さくひねる方法も使いました。この方法では摩擦音をほぼ取り除いても、短い音が記録されました。[1]
この比較は、紙の音を摩擦だけで説明できないことを示す手がかりです。ただし、家で聞こえた音の一つひとつを、耳だけで原因別に分けられるという意味ではありません。
音と動きが同時に分かったら、「今、ここが動いたね」と話せます。分からなければ「音はしたけれど、どこが動いたかは見えなかったね」で十分です。聞こえたことと、音の仕組みから考えたことを分けておけます。
研究が調べたのは、紙の変形と録音された音
この研究は、コピー用紙や厚めの画用紙などを使った物理の実験です。手で丸める方法と、円筒を使って強く、または小さくひねる方法を用い、音の反響を抑えた無響室で録音しました。短い音を区切り、そのエネルギーの分布などを分析しています。[1]
著者は、手での丸め方は条件をそろえて再現しにくいとしています。また、小さい音を数える際には、解析の設定によって一つの音が分かれたり、別々の音がまとまったりする難しさもありました。紙の種類や動かし方が限られた実験で、あらゆる紙のすべての音を説明しきったものではありません。[1]
子どもを対象にした研究ではなく、集中力や科学の理解が伸びるかは調べていません。家庭では研究用の装置をまねず、「ゆっくり動かしている紙にも、一瞬で変わるところがある」という見方を持ち帰れます。
出典
[1] Houle, P. A., & Sethna, J. P.(1996)“Acoustic emission from crumpling paper.” Physical Review E, 54(1), 278–283. 原著全文(著者所属大学の公開PDF)(1996年7月刊、DOI: 10.1103/PhysRevE.54.278)。









