この記事の要点
- 触る前に飼い主へ確認し、断られたときや飼い主がいないときは触らない。
- 許可が出ても急がず、犬が近づいてこない、離れようとする場合は見送る。
- 食事中・睡眠中などはそっとしておき、やり取りは大人が見守る。
散歩中の犬を見て、子どもが「触ってもいい?」と聞いたら、まずは手を伸ばさず、大人と一緒に立ち止まりましょう。飼い主に確認し、許可があっても犬が近づいてこなければ触らない。食事中や眠っている犬はそっとしておく。この順番を、親子の約束にできます。
「かわいい」「仲よくなりたい」という気持ちは大切にしながら、犬が触られずに過ごすことも選べるようにします。
まずは大人と止まり、飼い主に聞く
子どもが走って近づいたり、急に手を伸ばしたりする前に、いったん立ち止まります。「触ってもいいですか」と尋ねるのは、それからです。まだ自分で聞くのが難しければ、大人が代わりに確認してかまいません。
北海道の案内では、人に触られるのが嫌な犬もいるため、よその犬に触る際は飼い主の許可を得るよう呼びかけています。飼い主がその場にいない犬や、囲いの中にいる犬には近づかず、離れたところから見ることにしましょう。
断られたときは、理由を聞き出したり、もう一度頼んだりせずに見送ります。岐阜県のチェックリストも、飼い主に対して、犬の性格や反応を考慮し、危険が及ぶおそれがある場合は断るよう求めています。断ることも、犬と周囲の人を守るための判断です。
許可のあとも、犬が近づいてくるのを待つ
飼い主の「いいですよ」を聞いても、すぐに犬へ手を伸ばす必要はありません。米国獣医師会(AVMA)は、犬の空間へ手を入れず、犬から近づいてくるのを待ち、近づいてこなければ触らないよう案内しています。また、犬がその場を離れる選択を妨げないことも勧めています。出典:AVMAの予防資料
犬が後ずさりしたときも、追いかけて触ろうとせず、そこでやめます。北海道の案内でも、後ずさりしたら触るのをやめるよう示されています。
飼い主の許可と、犬がその場で接触を求めているかは、分けて考えたい点です。犬が近づいてきても、それだけで触ってよいとは判断せず、飼い主の案内と犬の様子を大人が確かめます。判断に迷うときは、触らずに見送れます。

食べているとき、眠っているときはそっとしておく
犬にも、邪魔をされずに過ごしたい時間があります。米国疾病予防管理センター(CDC)は、食事中、睡眠中、子犬の世話をしている犬を邪魔しないこと、隠れたり一人で過ごそうとしたりする犬には触らないことを勧めています。出典:CDC「Dogs」
触ってよいかを確かめるために、眠っている犬を起こす必要はありません。編集部の声かけ例としては、「今は休んでいるから、見るだけにしよう」と、その場で接触を終える選択ができます。
約束を覚えたあとも、大人が見守る
子どもが「先に聞く」と言えるようになっても、接触の判断を任せきりにはしません。CDCは、以前会ったことのある犬や家庭の犬を含め、幼い子どもを見守りなしで犬と遊ばせないよう求めています。
AVMAも、幼い子どもに犬のしぐさを読み取ることを任せず、大人が子どもと犬の双方を守る役割を担うよう示しています。犬が離れようとしていないか、子どもが顔を寄せたり抱きついたりしていないかを大人が見て、必要ならやり取りを終えます。見守ることや許可を得ることは、事故が起きない保証ではありません。
家庭での声かけ例(編集部の提案)
「かわいいね。まずここで止まって、飼い主さんに聞こう」
「来ないみたいだから、今日は見るだけにしようか」
触らずに見送る日も、犬との距離を大切にした過ごし方です。
参考にした資料の対象と限界
この記事は、日本の自治体と米国の公衆衛生機関・獣医師会が公表した、一般向けの予防案内をもとにしています。特定の年齢の子どもを対象に効果を比較した研究ではなく、ここで挙げた行動により事故がどの程度減るかは示していません。犬ごとの反応や、その日の状態を、この手順だけで判断することもできません。声かけの文例は編集部の提案です。
参考資料
- 北海道「飼い主の方へ」(2026年3月25日掲載日表示)
- 岐阜県「犬の適正飼養チェックリスト」(2024年4月1日更新)
- AVMA「Dog Bite Prevention」(2020年著作権表示、PDF)
- CDC「Dogs」(2026年6月15日付)
資料確認日:2026年11月6日









