この記事の要点
- 枝のある星のような形だけではない: 雪の結晶には、板のような形や、細い柱・針のような形もあります。
- 六角形が基本でも、育ち方で見た目は変わる: 水の分子の並び方を土台に、育つ場所の温度や水蒸気の量が形に関わります。
- まずは写真の中で、違う形を探せる: 本物の雪を捕まえに行かなくても、公式の写真や図鑑を一緒に眺めて楽しめます。
「雪って、みんなこのマークの形なの?」。六本の枝が広がる絵を見て聞かれたら、「あの形もあるけれど、薄い板や、細い柱みたいな形もあるんだよ」と答えられます。
雪の結晶は、水の分子が規則正しく並んだ氷です。六角形を基本に育ちますが、いつも同じ星のような姿になるわけではありません。幼児から小学生と、雪の写真を眺める場面から考えてみましょう。
「星みたいな雪」は、いろいろな形の一つ
図鑑や冬の飾りでよく見るのは、中心から六方向へ枝が伸び、さらに小さな枝が分かれた姿です。木の枝に似ているため、樹枝状の結晶と呼ばれます。
一方で、薄い六角の板、細長い柱、針のような結晶もあります。気象庁の福岡管区気象台は、温度や湿度によって形が変わることを、写真と図で紹介しています。はれるんマガジンの雪の解説
「枝がないから雪ではない」と考えず、「この写真は板みたい」「こっちは細長いね」と、見えている形から話せます。名前を全部覚えてから見る必要はありません。
六つの方向が基本になるのは、分子の並び方から
雪を作る水の分子は、とても小さく、普通の虫眼鏡では一つずつ見えません。その小さな粒が規則的に並ぶときの構造が、結晶の六角形や六つの方向と関わっています。
JAXAの氷の結晶の解説も、分子の性質と、結晶が育つ条件の両方が形を決めると説明しています。JAXAの解説
子どもには、「見えないくらい小さな水の粒の並び方が、外の形にもつながっているんだね」と短く話せます。大人も、分子の図をその場で描き切ろうとしなくて構いません。
ただし、六角形が基本ということは、落ちてきた雪が全部、きれいな六角形に見えるという意味ではありません。途中で溶けて形が変わったり、雲の粒が付いたりして、形が分かりにくいこともあります。
同じ水でも、育つ条件で形が違う
雪の結晶は、空気中の水蒸気が氷の結晶になり、さらに水分子が加わって育ちます。どの向きに伸びやすいかなどが、周囲の温度や水蒸気の量によって変わります。
平たく広がる場合も、柱のように伸びる場合もあります。六方向へ枝が伸びた結晶にも、細かな形の違いがあります。六角形という基本と、見た目の多様さは、両立するのです。
「寒ければ寒いほど、必ず大きな星になる」といった一本道ではありません。見つけた結晶一つから、その場所の正確な気温や、これからの天気を決めることもしません。

雪が降らない日も、写真で比べられる
雪の写真を二つ見て、形の違いを一つ探す。気に入った一つを眺める。屋外に出なくても、そんな楽しみ方ができます。以下は編集部の提案です。
実際の雪を見るために、荒天の屋外へ出たり、つららの下へ近づいたりする必要はありません。室内で公開写真を見るだけでも、十分に形の話ができます。
自由な絵や飾りを作るときは、五つの枝にしても、丸くしても構いません。「本物の結晶の基本」と「好きに作る模様」は、目的を分けて話せます。
この解説で扱っている範囲
土台にしたのは、気象庁とJAXAの公的な科学解説です。JAXAのページには水中の氷を育てる宇宙実験の話もありますが、その実験の育ち方を、雲の中の雪へそのまま当てはめてはいません。
また、写真を比べる会話が、子どもの理科の力をどれだけ変えるかを試した記事でもありません。見慣れた雪のマークのほかにも形があると知り、「こんな雪もあるんだ」と眺めるところから楽しめます。
参考資料
- 福岡管区気象台(2023年12月15日)はれるんマガジン第45号「天からの手紙を読んだことはありますか?」公式PDF
- JAXA「宇宙実験サクッと解説:氷の結晶成長実験編 第1回 これはどんな実験ですか?」公式解説
資料確認日:2026年10月13日









