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子どもが「やってない」と言う。うそかもと思ったとき、どう確かめる?

「やっていない」という子どもの返事が気になるとき。見ていたことと想像を分け、答えを決めつけずに聞く方法を考えます。話した後の対応と、正直さについての実験で分かる範囲も整理しました。

この記事の要点

  • 見ていたことと、想像したことを分ける: 「紙が破れている」は見えたこと。「あなたが破った」は、見ていなければまだ分かりません。分かる範囲から短く聞きます。
  • 答えを決めた質問を繰り返さない: 「本当はやったんでしょ」と認めるまで聞き続けず、話せることを待つ、少し時間を置くという選択もあります。
  • 話してくれたら、次に必要なことを一緒に: 説明を受け止めてから、片付けや直し方を考えます。「話したこと」と「起きたことへの対応」を分けて扱えます。

目次

使っていないと言うのに、机にペンの跡がある。触っていないと言うのに、大切な紙が破れている。「うそをつかないで」と言いたくなる場面です。

そのときは、すぐに白黒をつけることより、何が分かっていて、何をまだ知らないのかを整理するところから始められます。すべてをその場で聞き切る必要はありません。

ここでは、主に4〜8歳ごろの子どもとの、家庭での小さな出来事を取り上げます。子どもの表情からうそを見抜く方法や、被害の詳しい聞き取りの手順を紹介するものではありません。

まず、見ていたことだけを伝える

「この紙が破れているね。何があったか分かる?」。大人がその場を見ていなかったなら、子どもがしたと決めずに聞く言い方があります。

「知らない」と答えたら、その返事だけを理由にうそと判断しないようにします。誰がしたか分からないままでも、紙を保管する、持ち主に状況を伝えるなど、先にできる対応はあります。

一方、大人が行為を見ていたなら、知っていることを隠して試す必要はありません。「いま、このペンで机に書いているのを見たよ。紙に書こう」と、見たことと必要なことを伝えられます。「やったの?」と認めるまで繰り返すやり取りを省けます。

「言わせる」やり取りになったら、いったん区切る

「やったでしょ」「やってない」「本当のことを言って」。同じ言葉が続くと、大人も先へ進みにくくなります。

まずは「何があったか、話せることを教えて」と一度聞く。返事が出なければ、「今は話しにくいかな。少し後でも聞くよ」と区切る方法があります。答えの候補を次々に示して、どれかを選ばせなくてもかまいません。

「絶対に怒らないから」と約束するかどうかにも、無理をしないでください。守れるか分からない約束をしてまで、返事を引き出す必要はありません。「話を聞いてから、どうするか一緒に考えたい」と、今できることを伝えられます。

起きたところを見ていない

「ここがこうなっているね」と分かることを伝え、「何があったか分かる?」と聞きます。推測を事実にしません。

起きたところを見ていた

見た行為を短く伝え、次に必要なことを示します。知っている答えを、試すために聞き直さなくても大丈夫です。

大人も気持ちが高ぶっている

安全と必要な対応を先に済ませ、話はいったん区切ります。落ち着いてから聞き直す日があってもかまいません。

話が出てきたら、すぐ次の質問を重ねない

「使ってみたかった」「取ろうとしたら破れた」。説明が出たら、まずは最後まで聞いてみます。「教えてくれてありがとう」と、話してくれたことを受け止める言い方もできます。

その後で、「持ち主に知らせよう」「この部分を片付けよう」と、必要な対応を一つずつ考えます。話したことを受け止めながら、人の物を使うときの約束を改めて伝えることもできます。

大人と子どもが机の横に並んで座り、破れた紙を前に落ち着いて話している。
分かっていることを確かめてから、次に必要な対応を考えます。日常の場面例です。

大人が勘違いしていたと分かったら、「見ていないのに、あなたがしたと決めたね。ごめんね」と、判断を直して構いません。一度疑った後でも、そのまま押し通す必要はありません。

こうした言い方は、家庭で選べる会話の例です。どの言葉なら必ず本当のことを話す、という手順ではありません。

研究では、話す前に大人が伝える内容が調べられた

Talwarらの研究では、北米の都市で募集した4〜8歳372人が、音を聞いておもちゃを当てるゲームに参加しました。子どもは、大人が席を外す間、おもちゃを見ないように言われています。

大人が戻った後の言葉を六つの条件に分け、のぞいたかどうかへの返答を比べました。実際にのぞいた子どもの中では、「本当のことを話してくれたら、私はうれしい」という趣旨の言葉を聞いた条件では、正直さへの働きかけがない条件より、のぞいたことを認める子が多くなりました。罰を予告する言葉との組み合わせによって、働きかけの結果も異なりました。研究の原文PDF

ただし、一度の実験で、自分がおもちゃを見たかを尋ねた結果です。家庭での日常的な約束、長期的な正直さ、他の人から受けた被害の話について、同じ効果があるとまでは分かりません。研究で使った言葉を、そのまま暗記して使う必要もありません。

話す場を整えることと、全部を聞き出すことは別

すぐに答えがそろわない日もあります。「うそつき」と子ども全体に名前をつけず、今回分かっている事実と、次に必要な対応に戻ってみましょう。

けがや繰り返す被害など、安全が気になる内容なら、家庭で認めさせるやり取りを続けるより、子どもの安全を優先し、園や学校など関係する大人に相談してください。子どもの返事を待ってからでないと、安全への対応ができないわけではありません。

毎回うまく聞けなくても、気づいたところで言い直せます。「本当はこう言わせたい」という答えから少し離れ、子どもの説明と目の前の事実を確かめる。その一回から始められます。

参考文献

  • Talwar, V., Arruda, C., & Yachison, S.(2015)The effects of punishment and appeals for honesty on children’s truth-telling behavior. Journal of Experimental Child Psychology, 130, 209–217. 書誌・抄録 / 原文PDF(DOI: 10.1016/j.jecp.2014.09.011)

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