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「分からない」を先生に言えない。親にできることは?

家では分からないと言うのに、先生には聞けない。質問の短い言葉や付箋の準備、話せる時間や方法の相談など、親が手伝えることを考えます。人前で助けを求める場面を扱った研究の限界も紹介します。

この記事の要点

  • 言えなかった理由を、一つに決めない: 聞く内容がまとまらない、人前では聞きにくい、声をかける時間がないなど、どこで困ったかを確かめます。
  • 質問は、短い言葉や印でも準備できる: 「この言葉の意味が分かりません」と一文にしたり、教科書の該当箇所に付箋を付けたりする方法があります。
  • 誰に、いつ、どう伝えるかも考える: 授業中の挙手だけを目標にせず、先生と相談できる時間や方法を探します。親が連絡の橋渡しをしてもかまいません。

目次

家では「今日の説明が分からなかった」と話すのに、「先生に聞いてみた?」には首を振る。「分からなかったら聞けばいいよ」と伝えても、次の日も聞けないまま。そんなときは、質問の中身だけでなく、伝える場面も一緒に考えられます。

ここでは、小学生が学習中の分からないことを先生に伝えるために、家庭で準備できる選択肢を紹介します。子どもを一人で質問に行かせることを、毎日の達成目標にする必要はありません。

「どうして聞かなかったの?」の前に、困ったところを聞く

「聞こうと思ったけれど、何て言えばいいか分からなかった?」「みんながいると聞きにくい?」「先生に話しかける時間がなかった?」。子どもが話せそうなら、一つずつ確かめます。いくつも続けて答えさせなくてもかまいません。

人にどう見られるかが気になる子もいれば、どこまで分かっていないか自分でも整理できない子もいるでしょう。「恥ずかしいからだね」と大人が先に理由を決めず、その子の説明を手がかりにします。

今日はうまく説明できなくても、「分からないところがあったんだね」と受け止めて一区切りにできます。親への説明を、先生に質問するための試験にしなくてよいでしょう。

分からない場所に印を付け、短い質問にする

質問を文章にするのが難しければ、まず教科書やノートを開いて、「この辺かな」と一緒に探す方法があります。付箋や指さしで場所が示せれば、長い説明を準備しなくても伝える手がかりになります。

言葉を用意するなら、たとえば次のような一文から選べます。

  • 「この言葉は、どういう意味ですか」
  • 「ここから次の式になるところが分かりません」
  • 「何をする問題なのか、もう一度教えてください」

「どこが分からないのかも分からない」ときは、そのまま「どこから考えればよいか、一緒に見てほしいです」でもかまいません。質問を細かくできないことを、聞きに行けない理由にしないようにします。

小学生と保護者が机で開いた教科書を見て、質問したいところに黄色い付箋を付けて一緒に確かめている。
長い説明が難しければ、分からない場所に印を付けて伝える方法もあります。家庭の場面例です。

親が例文を一つ示し、子どもが自分の言いやすい形に変える方法もあります。練習するかどうかは本人と相談し、何度も言い直させる必要はありません。

人前で聞く以外の方法を、先生と相談する

みんなの前では聞きにくいなら、授業が終わった後などに「いつ聞いてもいいですか」と確かめる方法があります。ただし、休み時間や放課後に先生が必ず対応できるとは限らないので、実際に使える時間を相談します。

短いメモ、連絡帳、学校が用意している連絡方法など、言葉でその場に割って入らずに伝える方法が使えるかも確認できます。新しいアプリを用意したり、個人用の連絡先を探したりする必要はありません。

親から連絡する場合は、「説明を聞いた後に分からないところが残っているようです。本人が質問しやすい時間や方法を相談できますか」と、困っている点を具体的に伝える案があります。子どもには、誰に何を伝えるかを説明し、気にしていることも聞いておきます。

質問の言葉が出ないとき

該当するページを開く、印を付ける、「ここをもう一度」と示す。説明を完成させてから相談しなくてもかまいません。

みんなの前だと言いにくいとき

先生と短く話せる時間や、学校で使えるメモの方法を相談します。人前で手を挙げる形だけに絞りません。

聞いたけれど、まだ分からないとき

「ここまでは分かったけれど、この先が難しい」と伝える案があります。うまくいかなければ、親が先生との相談を手伝えます。

研究では、人前かどうかで「助けを求めそうな人」の予測が違った

GoodとShawの米国の研究では、4〜9歳の子ども192人に、二人の登場人物の話を聞かせました。一人は実際に賢くなりたい、もう一人は周りから賢く見られたい人物として説明され、どちらもテストでうまくいかなかった設定です。

先生が追加の学習支援を案内した後、クラスの前で手を挙げて申し込む話と、教室に誰もいないときに申し込む話を、別々の子どもたちに示しました。そして、申し込んだのは二人のうちどちらだと思うかを尋ねました。

年齢が高い子どもほど、周りからの見られ方を気にする人物について、人前で申し込む人としては選びにくく、人のいない場面では異なる選び方をしていました。研究の全文PDF・Study 4

これは、子ども自身が質問したかを測った研究ではありません。「人目の少ない場所にすれば必ず聞ける」「何歳から質問を恥ずかしがる」という結論にはできません。日本の教室や、家庭での質問練習の効果を直接調べたものでもありません。

それでも、質問を促すときに「本人のやる気」だけを見るのではなく、誰の前で、どんな方法で伝えるのかにも目を向ける手がかりになります。この記事の家庭例は、研究で検証された一式の手順ではありません。

聞きにくさが続くなら、子どもだけに任せない

質問したら笑われた、先生に声をかけるのが怖いなどの話がある場合は、言い方の練習だけで済ませないようにします。子どもの希望も聞きながら、親が学校へ状況を伝え、安心して相談できる方法を一緒に考えられます。必要なら、担任以外の相談できる教職員につなぐ方法もあります。

目標は、立派な質問を一人で言えることだけではありません。分からないことが残ったときに、それを誰かに伝え、必要な説明につながれること。今日は付箋を一枚付ける、親と先生への伝え方を考える。そこから始めてもかまいません。

参考文献

  • Good, K., & Shaw, A.(2022)Being versus appearing smart: Children’s developing intuitions about how reputational motives guide behavior. Child Development, 93(2), 418–436. 著者公開の全文PDF(DOI: 10.1111/cdev.13711)

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