この記事の要点
- 様子を表す言葉として受け取る: 「ぴょんぴょん」「ころころ」も、動き方を伝える言葉です。その一言だけで、言葉が未熟だとは決められません。
- 別の言い方は、言い直しの試験にせず添えられる: 「ぴょんぴょん跳んでいるね」のように、子どもの言葉を残したまま返せます。
- 伝わらないところだけ、一緒に確かめる: 何が、どう動いたのか。物を指したり見せてもらったりして、今の話をつなげます。
うさぎのぬいぐるみを動かしながら、「ぴょんぴょん!」。そんなとき、「跳ぶって言うんだよ。言ってごらん」と、毎回言い直させる場にしなくても大丈夫です。「ぴょんぴょん跳んでいるね」と返せば、動きの様子を受け取りながら、別の言葉も添えられます。
ここでは、主に幼児との遊びや会話で、擬音語・擬態語をどう受け取るかを考えます。言葉の数や話し方から、その子の発達を判定する記事ではありません。
「ぴょんぴょん」には、動き方の情報がある
「跳ぶ」だけでも動作は伝わりますが、「ぴょんぴょん」と言うと、繰り返し跳ねる様子が思い浮かびます。「歩く」に「のろのろ」を添えると、動く速さも表せます。
こうした、音や様子を表す言葉はオノマトペとも呼ばれます。「にゃー」のように音を表す言葉だけでなく、「ころころ」のように動きを表すものもあります。幼い子にだけ使う、間違った日本語というわけではありません。
子どもの「ころころ」を聞いたら、「何かが転がったのかな」と、その言葉が伝えようとしている場面に目を向けられます。大人に伝わっているなら、会話を止めて別の単語に置き換える必要はないでしょう。
子どもの言葉を残して、短く添える
「ぴょんぴょん」を受けて、「うさぎがぴょんぴょん跳んでいるね」。「ころころ」なら、「ボールがころころ転がったね」。その場で見えている物や動きを、大人が短く言葉にできます。
これは、同じ文を復唱してもらうための課題ではありません。子どもがうなずいたり、またぬいぐるみを動かしたりしたら、そのまま遊びを続けられます。
大人も毎回、言葉を二つずつ組み合わせようとしなくて構いません。一緒に「ぴょんぴょん」と言うだけのときも、普段の言い方で話すときもあってよいのです。

「何のことかな」と迷ったら、そこだけ聞く
「どーんってなった!」だけでは、何が起きたか分からないこともあります。そのときは、「何がどーんとなったの?」と、足りないところを一つ聞けます。
以下は、編集部による会話の例です。研究で効果を確認した声かけの組み合わせではありません。
使い方が分かりにくい言葉なら、「ここが『ぐるぐる』なのかな」と、大人の受け取り方を確かめてもよいでしょう。オノマトペだけで全部伝える必要も、オノマトペをやめる必要もなく、伝えたいことに合わせて言葉を足せます。
日本の実験では、音と動きの結びつきが調べられた
Imaiらの2008年の研究は、日本語を話す子どもに、研究用に作った新しい言葉と動作の映像を見せました。実験3の分析対象は3歳児34人で、音の感じが動作に合う言葉を聞く群と、そのような対応のない言葉を聞く群に無作為に分けています。
言葉を聞いた後、同じ人の別の動作と、別の人の同じ動作を見せ、どちらにその言葉を使うか尋ねました。音と動作が合う群では、別の人の同じ動作を選ぶ割合が高い結果でした。著者公開の原著
音の感じが、新しい動作の言葉を理解する手がかりになった実験です。ただし、首都圏郊外の保育施設に通う、主に中流家庭の子どもを対象にした、短い映像課題です。34人のほかに、課題に参加し続けられなかったり、片側ばかり選んだりした4人は分析から除かれています。
普段の「ぴょんぴょん」の使い方を比較した研究でも、親が言い直させるかどうかを試した研究でもありません。オノマトペを増やせば語彙全体が伸びる、使わない子には問題がある、といった結論にはできません。
まずは、その言葉で何を伝えているかを聞く。通じたところを受け取り、必要なら「何が」「どうした」を添える。その日の遊びの中で選べる関わり方です。









