この記事の要点
- できなくなったことを、はっきり伝える: 「今日、公園へ行く約束をしたけれど、行けなくなった」と、子どもが待っていたことを言葉にします。
- 理由と、次にできることを分ける: 理由は短く正直に。振り替えられる日がまだ分からないなら、無理に次の約束を足さなくて構いません。
- 説明したあとも、がっかりしていていい: 理由があっても、楽しみだった気持ちは残ります。その場で許したり、機嫌を直したりするよう求める必要はありません。
目次
「週末に一緒に工作しよう」と約束したのに、急な用事で時間が取れない。大人にも、予定を変えざるを得ない日はあります。
気まずくて曖昧にするより、何ができなくなり、今後どうするかを小さく分けて伝えられます。園児から小学校低学年くらいの子との、遊びや外出の約束を考えます。
まず、何を約束していたかを認める
「そんなに楽しみにしていたとは思わなかった」「また今度でいいでしょ」と言うと、待っていたことが話から抜けてしまいます。
「今日は一緒に作ると言ったね。でも、今日は時間が取れなくなった。ごめんね」と、約束と変更を一度言葉にできます。忘れてしまった場合なら、「忘れていた」と伝えるほうが、その場しのぎの理由を増やさずに済みます。
まだ決定していないときは、「行けるか確認中。夕方に分かったことを伝える」のように、決まっていない部分を示す方法もあります。その場合は、結果が決まらなくても、伝えると決めた時点で一度話しましょう。
理由を話すことと、納得を求めることを分ける
理由は、子どもが今回の変更を理解するのに必要な範囲で伝えます。「迎えに行く時間と重なってしまった」「家の用事が長引いている」など、短い説明からで十分です。
大人の事情を全部話したり、誰かのせいにしたりする必要はありません。仕事や家族の困りごとの詳細を、子どもに背負わせなくてもよいでしょう。
「だから怒らないで」「人を助けたんだから分かって」と続けると、説明が子どもの気持ちを変える要求になってしまいます。事情が分かることと、残念に思うことは、同時にあって構いません。

次の約束は、確かめてから
がっかりさせた分を埋めたくて、「明日は絶対」「今度は一日中」と大きな約束を足したくなることもあります。けれども、まだ予定が分からないなら、決めないでおく選択肢があります。
できることがある場合は、「工作は週末にできそう。今日は材料を一緒に選ぶ?」など、元の約束と今の提案を区別します。短い別の遊びを提案しても、子どもがそれを選ぶとは限りません。
すぐに許してもらえなくても、話は終えられる
「楽しみだったんだね」と聞いたあと、子どもが黙っていたり、まだ怒っていたりすることもあります。何度も説明して、納得した返事を引き出そうとしなくてよいでしょう。
大人も余裕がないときは、「残念だよね。少し落ち着いてから続きを話そう」と区切れます。約束を変えるたびに長い話し合いをする必要はありませんが、伝えた対応をできる範囲で実行することは残ります。
ここまでの言い方や対応例は、編集部による一般的な提案です。次の研究で、親の謝り方や振り替え方の効果を比較したわけではありません。
研究では、約束を守れなかった理由が比べられた
Liらは、米国南東部で募集した3歳半と5歳半の子ども、各32人、計64人を対象にオンライン実験を行いました。人形が「おもちゃを見せる」と約束して戻ってきたのに、何も見せず、その理由を話す映像を使いました。
人を助ける必要があったという理由では、自分が遊びたかったという理由や、説明がない場合より、約束を破ったことへの否定的な判断が弱くなりました。ただし、どの条件でも否定的な判断が多く、人形を好きか、一緒に遊びたいかには理由による差が確認されませんでした。原著論文
比較的裕福な家庭が多い少人数の研究で、人形の短い場面を判断した結果です。実際の親子の信頼がどう回復するかや、どの事情なら許すべきかを示したものではありません。
理由を話す意味はあっても、話せば必ず納得してもらえるとは限らない。その前提で、できなくなったことと次の対応を、正直に伝えられます。
参考文献
- Li, L., Tucker, A., & Tomasello, M.(2022)Young children judge defection less negatively when there’s a good justification. Cognitive Development, 64, 101268. 研究機関公開全文(DOI: 10.1016/j.cogdev.2022.101268)









