この記事の要点
- ひらがなの読み書きは、小学校でも学ぶ: 入学までに全部を仕上げる、という家庭の課題にしなくて大丈夫です。学校からの案内は、別に確認しましょう。
- 興味がある文字から、短く付き合う: 自分の名前や好きな物の名前など、「読みたい」「書きたい」が出たところから。練習量を一律に決める必要はありません。
- 心配は、できないことを隠さず学校へ: 今の様子や助かる関わり方を伝え、入学後にどう支えてもらえるか相談できます。
目次
もうすぐ小学生。周りの子が手紙を書いているのを見ると、「うちも、ひらがなを全部教えたほうがいい?」と気になることがあります。
まず知っておきたいのは、ひらがなの読み書きは小学校の学習内容に含まれていることです。入学前の準備を、文字の数だけで考えなくてもかまいません。ここでは、就学前の子どもの保護者が、家庭と学校の間で確かめられることを整理します。
「学校で学ぶこと」と「入学前の案内」を分けて読む
文部科学省の国語の学習指導要領解説では、ひらがな全体の読み書きを第1学年で身に付ける内容として示しています。これは小学校での指導の説明です。「入学する前に、家庭で全部終えておく」という意味ではありません。国語編の解説
一方、入学案内には、学校生活を始めるときに役立つ準備が書かれています。例えば多摩市の「2026年新1年生用 わくわく入学準備BOOK」は、自分の名前の読み書きができるとよいとしつつ、小学校でひらがなを学ぶので、無理に覚える必要はないと説明しています。多摩市の案内
これは多摩市の案内で、全国の学校に同じ準備を求めるものではありません。入学する学校の説明会や配布物で、名前の表示、持ち物の見分け方など、実際に必要になる場面を確かめましょう。
「読める字の数」より、使いたい場面から
子どもが文字に関心を示したら、その場で一つ付き合う方法があります。好きな本の題名を指したら読む。持ち物に書かれた名前を一緒に見る。手紙を書きたければ、大人が見本を書く。
すべてを自力で読ませようとしなくても、必要なところを大人が読めます。「今日は何文字覚えた?」と毎回確認する代わりに、読めた文字を使って何をしたいのかに目を向けてみましょう。

文字に関心が向かない日は、いつもの会話や絵本を楽しむ時間にしても構いません。読み聞かせを途中から文字のテストに変える必要もありません。こうした関わり方は、家庭で負担を増やさず付き合うための例です。
説明会では、心配を具体的な場面にして聞く
「何もできません」とまとめるより、「名前の最初の字は分かりますが、自分で書くのはまだ難しいです」のように、今の様子を伝えると、学校で必要な手助けを相談しやすくなります。
例えば、こんな質問ができます。
家庭だけで答えを出そうとせず、まず園の先生や入学先に尋ねてみてください。文字のことで本人がつらそうだったり、日常の困り事があったりする場合も、その様子を伝えて構いません。入学まで待たずに相談する選択肢があります。
準備は、家だけで仕上げるものではない
学校に伝えるのは、苦手なことだけでなく、「隣で一緒に見ると取り組みやすい」「絵があると持ち物を見つけやすい」といった助かる工夫でもよいでしょう。園で分かっていることがあれば、引き継ぎの方法も確認できます。
入学前に全部をできる状態にしようとすると、気になる項目は増えていきます。今日は配布物を一つ確認する、質問を一つメモする。それだけの日があっても大丈夫です。
公的資料が示している範囲
この記事の土台は、国の学習内容を説明する資料と、自治体が保護者向けに作った入学案内です。特定の家庭練習をした子と、しなかった子の成績を比べた研究ではありません。
そのため、「入学前の練習は効果がない」「先に読める子は有利」といった比較はしていません。文字に興味を持って楽しむことまで止める必要はなく、反対に、全員が同じ練習を済ませる必要があるとも言えません。家庭での取り組みと、学校で受ける支援の両方を、その子に合わせて考えましょう。









