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もらった物に「いらない」。好きと言わせたほうがいい?

贈り物に「いらない」と言って、親が慌てるとき。好きなふりを求めずに、その場の受け答えと後で聞く本音を分けて考えられます。

この記事の要点

  • 好きだという返事を、無理にそろえなくていい: 贈り物への好みと、用意してくれた人への言葉は分けて考えられます。「大好き」と言わせる必要はありません。
  • その場は、大人が短く引き取れる: 「用意してくださって、ありがとうございます」と大人自身のお礼を伝え、子どもの笑顔や言い直しを人前で待ち続けなくても構いません。
  • 落ち着いてから、気になったことを聞ける: 同じ物を持っていた、使い方が分からない、望んだ物と違った。理由を聞いて、必要なら伝え方や扱いを一緒に考えます。

目次

贈り物の包みを開けた子が、「これ、いらない」と言う。相手を傷つけたのではと、親のほうが慌てる場面です。

その場で「好きって言いなさい」と気持ちまで言い直させなくても大丈夫です。大人がお礼を伝えてやり取りを引き取り、子どもの話はあとで聞くこともできます。園児から小学生くらいの子との、日常の贈り物を考えます。

「好きかどうか」と「どう伝えるか」を分けてみる

物を好きになれないこと自体を、悪いことにする必要はありません。一方で、相手の前に投げ出したり、「こんなの変」とけなしたりする言い方は、別に話せます。

「好きな物ではなかったんだね。相手の前で投げるのはやめよう。置いておこうか」と、気持ちと行動を分けられます。

子ども自身が何か伝えたそうなら、「選んでくれてありがとう」「届けてくれてありがとう」など、実際にあったことへの言葉を一緒に考えられます。ただし、それも本人の気持ちに合うかを確かめながらで構いません。大きく喜ぶ演技まで求めなくてよいでしょう。

その場を、親子の反省会にしない

贈ってくれた人の前で、「何て言うの?」「そんな子だと思わなかった」とやり取りを長く続ける代わりに、大人が自分の言葉で応じる方法があります。

「わざわざ用意してくださって、ありがとうございます」。これなら、子どもがその物を好きだと代弁せずに、お礼を伝えられます。

「気に入った?」と本人へ直接聞かれ、返事に困っているときもあります。「まだ見たばかりなので、一緒に見てみますね」と大人が答え、少し間をつくることもできます。

好みをその場で聞かれた子が「私は別の色が好き」と答えたなら、必ず取り消させる必要はありません。詳しく話すか、短く終えるかは、相手との関係やそのときの様子で選べます。

開けた贈り物を横に置き、気になったことを親に話す子ども
その場を短く終えてから、子どもが何を思ったか聞くこともできます。

「もう同じ物を持っている」

事実として聞けます。「同じ物だったね。どう扱うか、あとで一緒に考えよう」と区切ることもできます。

「使い方が分からない」

説明を一緒に見たり、贈ってくれた人に尋ねたりできます。分からなさを、嫌いという気持ちと決めつけなくてもよいでしょう。

「欲しかった物と違った」

がっかりした気持ちは、あとで話せます。欲しい物を買い直す約束まで、その場でする必要はありません。

本音を聞いてから、これからのことを考える

二人になって落ち着いたら、「どんなところが気になった?」と聞く選択肢があります。何も話したくなければ、その日は終えても構いません。

好みに合わない物を、すぐ使う、写真を撮って見せる、ずっと保管すると決める必要もありません。あとで試す、しまっておく、交換できるか大人が確認するなど、できることを相談できます。交換や処分を決めるときは、子どもの持ち物を黙って扱わずに話せます。

贈り物をもらったことを理由に、嫌な触れ合いや無理な頼みを受ける必要もありません。断ることが必要な場面では、大人が間に入れます。

ここまでの言い方と対応は、編集部による一般的な提案です。親子に合う形を一つ選べれば十分です。

研究は、人前での返事と本当の好みを分けて調べている

Talwarらは2007年、北米の都市で3〜11歳の子ども323人を対象に、贈り物への反応を調べました。期待した玩具の代わりに石けんを受け取るなどの場面を設け、贈り手と親に、それぞれ何と答えるかを比べています。

望まない贈り物について、親には好きではないと伝え、贈り手には好きだと答える子がいました。また、親から「好きではないと言わないように」と促された条件では、そのように答える子が多くなりました。研究の公開全文

これは、実験の場で返事や表情をどう調整するかを調べた研究です。好みと違う返事をさせることが、子どもの幸福や人間関係に良いと示した研究ではありません。多くが白人で中流以上の家庭の子どもだったことや、実験者への返事だったことにも限界があります。日本でどんな受け答えをすべきかを、そのまま決める結果でもありません。

親が伝えられるのは、好きなふりの完成形だけではありません。好みはそのまま話し、相手に伝える言葉やタイミングは一緒に考える。そんな受け取り方も選べます。

参考文献

  • Talwar, V., Murphy, S. M., & Lee, K.(2007)White lie-telling in children for politeness purposes. International Journal of Behavioral Development, 31(1), 1–11. 公開著者原稿(DOI: 10.1177/0165025406073530)

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