この記事の要点
- まず、遊んでいるのかを確かめる: 違う名前を言っただけで、ふざけているとは決めつけません。「今日はそう呼んで遊んでいるの?」と聞くこともできます。
- 言葉遊びなら、毎回正解に戻さなくていい: 親子で遊びだと分かっている場面は、短く乗ったり、笑って受け取ったり。大人が無理に面白い返しを考える必要はありません。
- 本当の名前が必要なときは、短く伝える: 知りたがっているときや、相手に伝わらないときは説明できます。誰かが嫌がる呼び方は、遊びでも止めて構いません。
車のおもちゃを持って、「これはバナナ!」とにこにこする。知っているはずの名前をわざと変える子に、「違うよ、車でしょ」と返すべきか、迷うことがあります。
言葉を正しく知ることと、言葉を使って遊ぶことは、どちらも会話の中にあります。主に2〜3歳ごろからの親子の場面を考えながら、返し方を分けてみましょう。年齢だけで、その発言の意図を決めるものではありません。
違う名前の理由を、すぐ決めない
笑ってこちらを見る、同じ言い方を繰り返すといった様子は手掛かりになりますが、それだけで冗談と断定はできません。言い間違いかもしれず、物の名前を確かめている場合もあります。
「バナナって呼んでみたんだね」「これは何かなって聞いているの?」など、今のやり取りに合わせて返せます。毎回「本当は何?」と試して、正しい名前を言わせる必要はありません。
大人が受け取り違えたら、「遊んでいたんだね」「名前を知りたかったんだね」と、途中で返し方を変えればよいでしょう。
親子で分かる遊びなら、短く乗ってもいい
お互いに言葉遊びだと分かっているなら、「走るバナナだね」と一言返したり、笑顔で聞いたりする方法があります。

面白い展開を作り続けなくても構いません。声を変えるのが苦手なら、いつもの声で応じられます。笑えないときに、大げさに笑う必要もありません。
同じ言い方が続いて、そろそろ終えたくなったら、「聞こえたよ。私は今からごはんを用意するね」と区切れます。一緒に楽しむ時間を、いつまでも続ける約束にしないでよいのです。
本当の名前を伝える場面もある
子どもが名前を尋ねているときは、「これはバスだよ」と普通に答えて構いません。遊びの最中でも、別の人には伝わっていなければ、「車のおもちゃを探しているんだね」と、大人が補うことができます。
「冗談だから全部合わせる」「違う言葉は全部直す」と決めなくても、会話の目的に合わせて選べます。聞き取りにくかったなら、大人が聞き直すのも自然なことです。
誰かが嫌がる呼び方は、笑いにしない
物に変な名前を付けて遊ぶことと、人を嫌な呼び名でからかうことは、同じように扱う必要がありません。
「その呼び方は嫌だと言っているから、やめよう」「おもちゃの名前で遊ぼうか」と、止める部分を具体的に伝えられます。大人も、子どもがやめてと言ったらその呼び方をやめます。
子ども本人が笑っていても、一緒にいる人まで楽しいとは限りません。冗談のうまさを教えるより、その場にいる人の言葉を確かめるところからで十分です。
研究では、名前を変える遊びも調べられている
2021年にオンライン公開された研究では、幼い子どものユーモアを保護者が回答する質問票が作られました。物を別の名前で呼ぶことや、ありえないことを言うことも、質問の中に含まれています。主に英国などの家庭が参加し、最終版の質問票を使った二つの調査・実験では、生後1〜47か月の計671人のデータが使われました。研究の原文
これは、親が訂正する場合としない場合を比べ、よい返し方を決めた研究ではありません。また、保護者の回答と実験室での反応の関連は、年齢を考慮すると確認されませんでした。言い間違いを冗談と判定したり、笑い方から子どもの発達を評価したりする根拠にはできません。
この記事の声かけは、日常の会話で使える編集部の例です。「こう返せばユーモアが育つ」という手順にせず、今、何を話しているのかに合わせて使ってください。
参考資料
- Hoicka, E. ほか(2022、オンライン公開2021)The Early Humor Survey (EHS): A reliable parent-report measure of humor development for 1- to 47-month-olds. Behavior Research Methods, 54, 1928–1953. 原著全文









