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金属なのに磁石がつかない。どうして?

金属なら全部、磁石につくのでしょうか。鉄とアルミなどの材料の違いを、見た目だけで決めずに考えます。家で実験しない選択肢と安全面も紹介します。

この記事の要点

  • 金属なら何でもつく、ではない: 鉄は磁石に引かれますが、アルミや銅は、ふつうの磁石を近づけても鉄のようにはくっつきません。
  • 見た目より、材料と実際の様子を見る: 銀色で光る物でも材料は同じとは限りません。「ついた」「つかなかった」を、その物について確かめられます。
  • 家で実験しなくても答えられる: 小型・強力な磁石は使いません。安全に扱える道具がなければ、科学館や大学の解説を一緒に見るだけでも構いません。

目次

「これも金属なのに、どうして磁石がつかないの?」と聞かれたら、「金属にも種類があって、磁石につきやすいものと、そうでないものがあるんだよ」と答えられます。

その場で、家じゅうの金属を集めて試さなくても大丈夫です。園児から小学校低学年くらいの子と、見た目と材料の違いを考えてみます。

銀色だから、同じ材料とは限らない

鉄、アルミニウム、銅は、どれも金属です。でも、ふつうの磁石をそっと近づけたときの振る舞いは同じではありません。鉄は引きつけられますが、アルミや銅は鉄のようにくっつきません。千葉大学の科学解説

「金属じゃなかったんだね」と結論づける前に、「つかなかったけれど、アルミも金属なんだね」と、材料の名前を添えられます。

色や光り方だけでは、材料は分かりません。同じような見た目のトレーでも、表示を見ると別の材料かもしれません。表示が見つからない物を、磁石の結果だけで「必ず鉄」「絶対に金属ではない」と決める必要もありません。

また、一つの物が一種類の材料だけでできているとも限りません。「取っ手と本体は違うかも」と気づけば、今日はそこまででも十分です。材料を調べるために分解する必要はありません。

確かめるなら、大人が扱う一つか二つだけ

家に、破損がなく、説明書に従って安全に扱える大きな一体型の磁石がある場合は、大人が手元で管理し、角のない大きな金属製の板やトレーなどへ静かに近づける様子を見せられます。子どもはそばで観察し、磁石を自分で持つことは、この遊びの条件にしません。

材料表示を先に確認できる物を選ぶと、「鉄のほうはついたね」「アルミのほうはつかなかったね」と、目の前の結果を話せます。どちらも光っているのに、結果が違ったところが話の入口になります。

うまく付かないときに、もっと強い磁石へ取り替えたり、物を削ったりする必要はありません。「この組合せでは、くっつく様子が見られなかったね」と止められます。表面の状態や磁石との離れ方などもあるため、一回の結果だけで材料を言い切らないほうがよいでしょう。

大人が大きな磁石と金属の板を扱い、子どもが隣で様子を見る
確かめるときは、大人が安全な物だけを扱います。

小型磁石、マグネットボール、強力なネオジム磁石は、この観察に使いません。小さなクリップや釘を並べる実験、磁石をおもちゃから取り出す工作もしません。消費者庁は、磁石の誤飲による重い事故に注意を呼びかけ、誤飲のおそれがある物は子どもの目と手が届かない場所へ置くよう案内しています。消費者庁の注意喚起

大きな製品でも、壊れて部品が外れていれば使いません。終わったら大人が片付けます。適切な道具が手元になければ、新しく買いそろえず、解説の写真を見るだけでかまいません。

「全部」の言い方を、見た結果に戻してみる

「銀色の物は、みんなつく」と言う

「今見た二つは、どうだった?」と、観察した物へ戻れます。次々に例外を探すテストにしなくても構いません。

「つかないから金属じゃない」と言う

「これはアルミという金属なんだよ。鉄とは違うんだね」と、表示や資料と結果をつなげて話せます。

磁石の中の仕組みまで聞かれる

今分からなければ、「材料の中の性質が違うんだ。詳しい仕組みは一緒に調べよう」と答えられます。原子の話まで、その場で説明し切らなくても大丈夫です。

これらの観察と会話は、編集部の提案です。安全な観察ができる状況だけで取り入れ、毎回予想を言わせたり、記録を作らせたりする必要はありません。

研究では、金属をひとまとめに考える答えが見られた

Van HookとHuziak-Clarkの2007年の研究は、幼稚園の子ども59人が参加した磁石の授業を報告しています。授業前には「金属につく」という答えが多く、すべての金属にはつかないと述べる子は少数でした。複数回の活動後には、鉄を主成分とする鋼を挙げる答えが多く見られました。研究の全文PDF

ただし、事前の面接は18人、事後は28人で、全員の変化を同じ条件で追った比較ではありません。授業を受けない比較群もなく、この家庭の観察法の効果を示した研究ではありません。年齢の細かな範囲も原著には記載されていません。

今日伝えることは、「つかなかったから失敗」ではなく、その結果も材料を知る手がかりになること。「金属にもいろいろあるんだね」と話せれば、一度で仕組みを覚えなくても大丈夫です。

参考文献

  • Van Hook, S. J., & Huziak-Clark, T. L.(2007). Tip-to-Tail: Developing a Conceptual Model of Magnetism with Kindergartners Using Inquiry-Based Instruction. Journal of Elementary Science Education, 19(2), 45–58. 全文PDF/ERIC書誌
  • 千葉大学サイエンスプロムナード. 電磁誘導の不思議. 大学の解説
  • 消費者庁(2023). Vol.624 体の中で、くっつく「マグネットセット」、膨らむ「吸水樹脂ボール」の危険. 注意喚起

資料確認日:2026年10月13日

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