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家族の思い出、覚えていることが違う。どう話せばいい?

同じ日の思い出でも、子どもと大人で心に残る場面は違うことがあります。話の順番や感想をそろえず、大人の記憶も自分の話として添える、短い思い出話の工夫です。

この記事の要点

  • 子どもの覚えている場面から聞く: 大人が伝えたい順番にそろえず、「そこが印象に残っているんだね」と、話に出たことを受け取れます。
  • 大人の記憶は、大人の話として添える: 「私は、帰りに見た犬を覚えているよ」。子どもに同じことを思い出させようとしなくて大丈夫です。
  • 分からないことは、分からないままで: 日付などを確かめたいなら写真や記録を見ても。思い出せない部分を想像で埋めたり、楽しかったことにまとめたりしなくてかまいません。

目次

一緒に出かけた日の話をしていたら、大人が覚えているのは展示、子どもが話すのは帰り道の犬。「そこより、ほかにもあったでしょう」と続きを求めたくなるかもしれません。

家族で思い出を話すとき、全員が同じ場面を選び、同じ感想を言う必要はありません。大人にも子どもにも、話したいところがあります。

主に、過去の出来事を言葉でやり取りし始めた3〜6歳ごろの子との、日常の思い出話を考えます。詳しく話せる量を増やすことだけを目標にしなくてもよいでしょう。

まず、子どもが持ち出した場面を一緒に眺める

「犬がいたね」と子どもが言ったら、「犬のことを覚えているんだね」と返せます。続きを聞きたいときも、「そのあと、どうしたんだっけ?」など、子どもの話につながる問いを一つにします。

そこで話が終わっても、覚えていないとは限りません。今は別のことをしたいのかもしれませんし、それだけ話せば十分なのかもしれません。「ほかには?」と何度も続けなくて大丈夫です。

大人が好きだった展示の話へすぐ戻すより、少しだけ子どもの話す場所にとどまる。そのような付き合い方もできます。

大人が覚えていることは、「私は」と添える

子どもの話を聞くことと、大人が思い出を語ることは、両立できます。

例えば、「私は、帰りに二人でベンチに座ったことを覚えているよ」。子どもが覚えていなければ、「覚えていないんだね。私はこうだったのを思い出したよ」と、自分の話として続けられます。

「ほら、覚えているでしょう」と同意を求めたり、大人の話をそのまま子どもの記憶にしたりする必要はありません。「お父さんから聞いた話」「写真で見たこと」と、どこから知った話なのかを言い添える方法もあります。

親子がアルバムを開き、子どもが指した写真を一緒に見ながら思い出を話している。
同じ日のことでも、心に残っている場面はそれぞれ。

感想が違うときと、事実を確かめたいときは分ける

大人は楽しかったと思っていても、子どもは「人が多くて疲れた」と話すかもしれません。その感想まで「楽しかったでしょう」とそろえなくてよいのです。

「私は展示がおもしろかった。あなたは混んでいたのが大変だったんだね」と、二つの経験として並べられます。一日のすべてを楽しい思い出にまとめなくてもかまいません。

一方、「誰と行ったか」「いつ行ったか」などを正確に知る必要があるなら、記録を確かめる場面もあります。その場合は、「写真の日付を見てみよう」「その部分は私も自信がない」と言えます。思い出が食い違うからといって、事実を何でも同じように扱うわけではありません。

覚えている場面が違う

「そこが残っているんだね」と聞き、大人の思い出も自分の話として添えます。話の中心を毎回そろえなくて大丈夫です。

子どもが覚えていないと言う

「覚えていないんだね」で止められます。写真を一緒に見るなら、思い出させるテストにせず、写っている物を眺めるだけでも。

出来事の一部が食い違う

必要な事実は記録などで確認し、分からない部分は保留します。子どもの気持ちまで、大人の感想に合わせなくてかまいません。

写真がなくても、一つの話で終わっていい

思い出話のために、アルバムを作り込んだり、毎晩時間を取ったりする必要はありません。いつもの道を通ったときに「前にここで雨が降ったね」と話すなど、日常に短いきっかけがあります。

親も疲れていれば、「その話、聞けてうれしかった。今日はここまでにしよう」と区切れます。子どもが嫌がる出来事を無理に話題にすることも、細部を全部聞き出すことも、この記事の目的ではありません。

ここまでの声かけは、家庭で無理なく話すための提案です。研究で検証された訓練手順ではなく、記憶を正確にする効果を約束するものでもありません。

研究では、質問の仕方と、子どもの話に沿う関わりを分けた

ニュージーランドのClevelandとReeseは、50組の母子について、子どもが40か月と65か月のときの思い出話を調べました。新しい情報につながる質問をすることと、子どもの話の方向を尊重することを、それぞれ別に記録しています。

40か月時点では、その両方が多い母子の会話で、子どもが提供する出来事の情報も多いという関連が見られました。ただし、65か月時点には同じ組み合わせの違いが一律に見られたわけではなく、年齢や話す相手、場面によって結果が異なりました。研究の原文PDF

これは会話を観察した研究で、言い方を変えた効果を実験したものではありません。子どもの話し方が大人の関わり方に影響した可能性もあります。また、主に英語を話すニュージーランドの家庭が対象で、記憶の正確さは測っていません。

思い出話は、大人の記憶を子どもが再現する時間でなくてもよいのです。「私はこう覚えている」「そこが心に残っているんだね」。短いやり取りの中で、お互いの見ていた場面を知ることができます。

参考文献

  • Cleveland, E. S., & Reese, E.(2005)Maternal Structure and Autonomy Support in Conversations About the Past: Contributions to Children’s Autobiographical Memory. Developmental Psychology, 41(2), 376–388. 公開原文PDF(DOI: 10.1037/0012-1649.41.2.376)

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