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鏡文字は、毎回直したほうがいい? 見本を一緒に見るときに

文字や数字が左右反対になったら、何を書く時間かに合わせて手助けを。内容を受け取ること、見本と一文字を比べること、園や学校に具体的な困りごとを相談することを整理します。

この記事の要点

  • 何のために書いているかで、声をかける場面を選ぶ: 手紙の続きを楽しんでいるなら、すべての字で止めなくても。練習中や本人が尋ねたときに、一文字だけ一緒に見られます。
  • 「逆だよ」だけでなく、見本を隣に置く: 同じ向きに置いた見本と比べ、線が曲がる側など、違うところを一つ確かめる方法があります。
  • 直る年齢を決めず、書くときの困りごとを見る: 書くことがつらい、課題で困る様子が続くなら、実際に書いた物を園や学校へ持って相談できます。鏡文字だけで原因を決めません。

目次

子どもが書いた数字や文字の一部が、鏡に映したように左右反対になっている。「その場ですぐ直すほうがいい?」「何度も書かせるべき?」と迷うことがあります。

まずは、子どもが今、何を書きたいのかを見てみましょう。伝えたい内容を受け取る時間と、字の向きを確かめる時間を、少し分けて考える方法があります。

この記事は、文字や数字を書き始めた園児から小学校低学年ごろの、日常的な書字を手伝うための提案です。鏡文字の有無から、発達や学びの状態を判断するものではありません。

手紙や遊びの途中なら、まず内容を受け取る

「これはお店のメニュー」「友だちに渡すカード」と、子どもが作りたい物を見せてくれたとします。文字の向きが気になっても、最初から全部を訂正する代わりに、「何を書いたの?」と内容を聞けます。

相手に読みやすく届けたい場面なら、「ここは一緒に見本を見ようか」と、必要な一文字を選ぶこともできます。大人が別の紙に添え書きする方法もあるでしょう。

一方、園や学校の書く課題なら、教わっている見本や直し方を確かめます。家庭だけで別の練習方法を増やす前に、どの部分を手伝うか相談できます。

比べるときは、紙と見本の向きをそろえる

「逆だから直して」と言うだけでは、どこをどう変えるのか分かりにくいことがあります。

本人が見てみようという様子なら、見本を紙の隣に置き、子どもと大人が同じ側から見ます。例えば数字の「3」なら、「見本のふくらんだところは、こっちにあるね」と、形の違いを一つ指せます。

紙を向かい合わせに置いたまま、大人から見た左右で指示すると、説明がややこしくなります。子どもが見ている向きにそろえて、見本そのものを指す方法を選べます。

書き直す場合も、全部を消して何行も繰り返すことを、その場の条件にする必要はありません。一文字を見て区切る、別の紙で試すなど、本人と相談できます。

親子が机の同じ側から、書いている紙と隣に置いた見本カードを一緒に見ている。
見本と紙を同じ向きに置き、確かめるところを一つに。

名前の付け方より、どこで困るかを具体的に

鏡文字を見つけると、理由を一つに決めたくなるかもしれません。でも、字を見せながら写したのか、思い出して書いたのか、どの文字だったのかなど、書いた場面も一緒に見られます。

「いつもできない」とまとめる代わりに、「見本なしで数字を書くと、向きが分からなくなることがある」と具体的にすると、園や学校とも相談しやすくなります。

これは家庭で検査をするためではありません。子どもに見本あり・なしの課題を何度も出して、能力を比べる必要はありません。

遊びの看板や手紙を書いている

何を書きたいかを受け取り、必要なところだけ一緒に見ます。伝えたい内容まで、書き直しが終わるまで待たせなくて大丈夫です。

本人が「これで合ってる?」と聞く

見本を同じ向きで横に置き、違う部分を一つ指して確かめます。書き直す量は、その場で無理のない範囲にできます。

書く課題で困ることが続く

実際に書いた紙と、困った場面を園や学校へ共有します。向きだけでなく、見本の見やすさや課題の進め方も相談できます。

「何歳までなら大丈夫」と、家庭で線を引かなくていい

鏡文字があるという一点から、原因を決めたり、「必ず自然に直る」と言い切ったりはできません。反対に、一度見つけただけで、子どもの将来の学習を予測する必要もありません。

本人が書くことを強く嫌がる、つらそうにする、園や学校の課題で繰り返し困るなど、生活の中で気になることがあれば、その様子を伝えて相談しましょう。相談のために、家庭で完璧な記録を作る必要はありません。

ここまでの見本の置き方や声かけは、日常の支援の選択肢です。次の研究で、鏡文字を減らす効果や、最適な訂正の回数が実証された方法ではありません。

研究では、子どもだけでなく、文字の形にも注目した

米国のTreimanらは、130人の子どもが平均5歳8か月のころに、英語のアルファベットを、名前を聞いて一文字ずつ書いた記録を分析しました。大まかな形は合っている字の中で、左右の向きが合っていたかを調べています。

左右反転は、どの文字でも同じように起こったわけではありません。「d」や「J」のような左向きの形の文字で、「b」や「C」のような右向きの形より多く見られました。また、この分析では反転の割合と、後に調べた読み書きの成績との確かな関連は見られませんでした。研究の全文

ただし、対象の多くは、言葉の音を発することに困難があった子どもとして募集されています。各文字を書いたのは一度で、日本語の文字や数字を調べた研究ではありません。後の読み書き成績は追っていますが、反転自体がいつ減るかを繰り返し測ったわけでもありません。見本の使い方や訂正の回数の効果も未検証です。

この結果だけで、子ども一人の学びの状態や将来を判断することはできません。家庭では「この子は逆に書く」とまとめるより、今書いている一文字と、本人が困っているところを一緒に見られます。

参考文献

  • Treiman, R., Gordon, J., Boada, R., Peterson, R. L., & Pennington, B. F.(2014)Statistical Learning, Letter Reversals, and Reading. Scientific Studies of Reading, 18(6), 383–394. 原著全文(DOI: 10.1080/10888438.2013.873937)

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