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1〜2歳の「貸したくない」に、どう関わる? おもちゃの取り合いの前に

1〜2歳の子どもがおもちゃを貸したがらない。私物と共有物を分け、双方の希望を短く伝え、別の物や順番を支える方法を紹介します。年齢別の合格基準にはできない研究の条件も整理しました。

この記事の要点

  • 貸せなかった一場面で、優しさを決めない: 使い続けたいのか、相手の希望が伝わっていないのか。まず、大人が双方の様子を見ます。
  • 「仲良くして」を、今の状況が分かる言葉にする: 「今はこれで遊んでいるね」「こちらも使いたいんだね」と短く伝え、別の物や順番を考えます。
  • 大切な私物と、みんなで使う物は分けて考える: 貸したくない物を事前にしまう、共有のおもちゃでは大人が順番を支えるなど、場面に合う準備ができます。

目次

遊んでいるおもちゃに別の子が手を伸ばすと、ぎゅっと抱えて離さない。「貸してあげよう」と言っても首を振る。1〜2歳の子ども同士で過ごすとき、大人が間に入る場面があります。

その場で渡せなかったことだけを見て、「意地悪」「優しくない」と決める必要はありません。持っている子にも、欲しい子にも、それぞれ使いたい気持ちがあります。まずは取り合いでけがをしないよう、大人がそばで支えながら状況を確かめましょう。

この年齢の共有を調べた研究には、相手の欲しい気持ちが伝わるまでの過程に注目したものがあります。ただし、大人と多くのおもちゃで遊ぶ実験と、友だちと一つの大切な物を取り合う場面は、条件が大きく違います。

二人の希望を、大人が短く言葉にする

子ども同士のやり取りが、手を伸ばす、引っ張る、泣くという形になっているときは、先に体と物の安全を確かめます。「引っ張るのは止めよう」と手を添え、たたく・押すなどの行動も止めます。

そのうえで、「まだこの車で遊びたいね」「こちらも車を使いたいんだね」と、見えている希望を短く伝える方法があります。本人の気持ちを完全に分かったつもりにならず、表情や動きを見ながら言葉を添えます。

「相手が悲しむから、すぐ渡そう」と片方だけに解決を任せるのは、幼い子には難しい場面もあるでしょう。今使える別のおもちゃを探す、少し離れて遊ぶ、一緒に使える部分があるか見るなど、大人が選択肢を用意できます。

ここからの対応例は、編集部による家庭での工夫です。研究で実証された決まった声かけでも、必ず貸せるようになる手順でもありません。

私物と、共有のおもちゃは同じ扱いにしなくていい

友だちが家に来る前に、いつも抱いているぬいぐるみや壊されたくない作品を、大人と一緒にしまう方法があります。出しておく物を、すべて貸す練習の教材にする必要はありません。

一方、児童館や園など、みんなで使う場所のおもちゃには、その場所のルールがあります。「これはここでみんなが使う物だよ」と短く伝え、職員や相手の保護者と確かめながら順番を支えます。子どもの私物と、共有物を使っている順番を分けて考えることができます。

幼い子ども二人のそばで大人が座り、一人が持つ車を取り上げず、もう一人と別のおもちゃを見ている。
一つの物をすぐ渡す以外に、別の物を用意して支える方法もあります。場面例のイメージです。

「あとで」という言葉だけでは待つことが難しそうなら、大人が近くで様子を見て、実際に交代できるところで手を貸します。タイマーを使う場合も、鳴れば必ず納得すると期待せず、子どもに分かる形かを確かめます。家庭ごとの工夫であり、研究が決めた待ち時間はありません。

順番を譲った子にも、待っている子にも、大人が関われるとよいでしょう。「待っている間、こっちを使おうか」と提案するだけでも、相手がすぐ貸すかどうかに、その場の遊びをすべて預けずに済みます。

「どうぞ」が出たら、起きたことを受け取る

子どもが一つ差し出したら、「渡してくれたね」「これで一緒に遊べるね」と、その場で起きたことを短く返せます。もっと渡せるかを試したり、「優しい子なんだから、これも」と続けて求めたりしなくてもかまいません。

見せているだけなのか、渡すつもりなのか、迷うこともあります。相手に近づけたからといって、大人がすぐ手から取り上げず、実際に離すかを見てみます。研究でも、見せることと相手へ渡すことは区別していました。

いつも大切にしている私物

「これは使っていたいんだね。別の物を出そうか」

無理にその一つを共有する以外の方法を、大人が考えます。

共有のおもちゃを、二人が欲しがっている

「今使っているね。次に使うのを一緒に待とう」

その場所のルールを確かめ、待つ子にも別の過ごし方を用意します。

相手に差し出したあと、離さない

「見せているのかな。渡したいのかな」

大人がすぐ引き抜かず、動きと表情を見ます。取り合いになれば安全を支えます。

共有するたびに褒め方を考え抜く必要はありません。できなかった日は、何が起きていたかを大人が少し見直す。その場が収まれば、何度もやり直しをさせず、別の遊びに移ってもよいでしょう。

18か月と24か月の実験で見られた違い

米国のピッツバーグ大学の研究チームは、18か月の子ども26人、24か月の子ども25人、計51人を調べました。おもちゃや食べ物を、何も持っていない大人の遊び相手へ渡す機会を用意した研究です。原著の方法・結果

大人は、欲しそうな表情をする、欲しいことを言葉で伝える、手を伸ばす、直接頼むというように、合図を段階的にはっきりさせました。子どもには多めの物があり、一つ渡しても、自分の遊ぶ物がすべてなくなる条件ではありませんでした。

この実験では、24か月の子どものほうが、少ない合図で、より多くの機会に物を渡しました。18か月の子どもにも、複数の機会やはっきりした働きかけの中で渡す姿が見られました。

また、「自分の物」「親の物」を識別する課題などの成績と、物を渡す行動には関連がありました。ただし、所有について教えれば共有が増えると確かめた実験ではありません。

「2歳なら貸せるはず」という基準にはしない

相手は親しみやすい大人で、物は実験室で一時的に使っているものです。大切な私物を、同じくらい幼い友だちへ渡す場面ではありません。多数のおもちゃや繰り返しの機会があったことも、共有のしやすさに関係した可能性があります。

年齢の違う集団を比べた結果なので、一人の子どもが18か月から24か月へどう変わるかを追跡したわけでもありません。生活文化や参加家庭の偏りもあり、年齢別の合格ラインにはできません。

「貸せたか、貸せなかったか」だけで見るより、相手が何を欲しいのか伝わっていたか、手放す負担はどのくらいか、どんな助けが必要かを見る。そのうえで、子ども同士に任せ切らず、大人が別の物や順番を支える。今のやり取りを一緒に過ごすところから考えられます。

参考文献

参考資料へのリンクは別タブで開きます。

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