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動物のことを絵本で調べるなら? 絵だけでなく、説明の言葉にも注目

動物について知りたいとき、絵本は見た目だけで選ばなくても大丈夫。絵と説明の言葉を分けて見る方法や、お話と実物の資料を行き来する会話例を、幼児の原著研究とともに紹介します。

この記事の要点

  • 知りたいことがある日は、説明を見て選ぶ: 「どこに住む?」「どう動く?」に答える本なら、その事実がはっきり書かれているかを見てみましょう。
  • かわいい絵だけで、学べない本と決めなくていい: 絵の描き方と、説明の内容は別々に確かめられます。写真かイラストかだけで選ぶ必要はありません。
  • お話を楽しんだあと、気になったら実物の資料へ: 「本当の動物もそうなの?」と聞かれたら、図鑑や動物園の解説を一緒に。毎回、読み聞かせを授業にしなくて構いません。

目次

服を着た動物が、おしゃべりしながら暮らす絵本。子どもは楽しそうだけれど、「本当の動物も同じだと思わないかな」と気になることがあります。反対に、動物好きの子に図鑑を渡しても、お話の本ばかり選ぶことも。

本を選ぶときは、まず今したいことを分けてみると考えやすくなります。物語を楽しみたいのか、動物の暮らしを知りたいのか。どちらも同じ一冊で済ませる必要はありません。

この記事では、主に3〜5歳ごろの子どもと動物の本を読む場面を考えます。研究が調べたのは、本の説明を現実の動物に当てはめる力の一部。好きな絵本の価値を採点するための話ではありません。

「何を知りたい?」から、一つ選ぶ

子どもが「この動物、どこにいるの?」と聞いたときなら、住む場所が分かるページを探す。「どんなふうに動くの?」なら、写真や連続した絵、動物園などが公開する実際の映像を見る方法があります。

立派な図鑑を最初から最後まで読むことより、出てきた疑問に合うところを一つ開く。文字が多ければ、大人が必要な一文だけ読んで伝えてもよいでしょう。

幼児が動物の本に描かれたキツネを指し、隣の大人が同じページを一緒に眺めている場面。
気になった動物のことを、知りたい内容に合う資料で一緒に確かめます。

このとき注目したいのは、表紙の見た目だけでなく、説明の言葉です。「主人公が何をしたか」と「その種類の動物がどう暮らすか」が、どこに書かれているかを確かめます。同じかわいい絵でも、生き物の特徴を明確に説明する本があります。

本屋や図書館で選ぶなら、「動物が好きで、今は住む場所に興味があります」と具体的に伝えると、探す範囲を絞れます。新しく買う前に、手元の本や借りられる本の該当ページを見るところからでも始められます。

絵の写実性だけで、本を判定しない

写真が使われていれば、書かれていることがすべて科学的な説明とは限りません。一方、動物が人間らしく描かれた絵でも、添えられた文章から事実を学べる場合があります。

後半で紹介する実験では、擬人化された絵が同じでも、文章を事実に即した説明にするか、人間のような行動をするお話にするかで、読後の回答が異なりました。また、写実的な絵を使った実験では、どちらの文章でも新しい事実を学んでいました。原著研究

そこで、家庭で本を手に取るときは、「リアルな絵だからよい」「かわいい絵だからだめ」と二分するより、知りたい事実がどう説明されているかを見てみる。これは研究から考えられる選び方です。

たとえば、動物の住む場所を知りたいのに、登場人物の家の様子しか描かれていないなら、その一冊だけで答えを出さず、別の資料を添えます。すべての本に、同じ役割を求めなくてもよいのです。

「本当にもこうするの?」と聞かれたら

物語の途中で、毎ページ「これは本当ではありません」と説明して回る必要はありません。まずはそのお話を一緒に楽しみ、現実について質問が出たときに話題を切り替える方法があります。

以下は研究で効果を確かめた台本ではなく、家庭での会話例です。

お話を楽しんでいるとき

「このお話では、動物がお店を開いているんだね」

登場人物の出来事として、そのまま楽しめます。

本当の動物について聞かれたとき

「本当の暮らしはどうだろう。図鑑のここを見てみよう」

答えを知っていれば短く説明し、分からなければ資料で確かめます。

今日は調べる余裕がないとき

「今は分からないな。気になったら、あとで見られるよ」

その場ですべてを調べ切ったり、質問を宿題にしたりしなくて構いません。

一緒に資料を見るときも、子どもに正解を言わせる必要はありません。「絵本と耳の形が似ているね」「ここには住む場所が書いてあるね」と、大人が気づいたことを伝える読み方もできます。

「お話ではこうだったけれど、こちらの説明ではこうなんだね」と、二つを並べてみる。違いを指摘するために好きな本を取り上げるより、知りたいことに合う資料を増やす、という発想です。

研究では、何を比べたのか

Ganeaらが2014年に発表した原著では、子どもにとってなじみの薄い3種類の動物について、研究用の絵本を作りました。各冊を2回読んだあと、本とは別の実物写真を見せ、そこに写る動物について質問しています。

米国ボストン周辺の3〜5歳70人を分析した研究1では、絵は写実的なまま、文章の種類を変えました。両条件とも、本文で教えた事実を学んだことが示されました。一方、人間らしい行動をする文章を聞いた子どもは、その特徴を本当の動物にも当てはめやすくなりました。

カナダ・トロント周辺の3歳と5歳を対象とした研究2は、対照群を含む72人を分析。絵本を読む54人では、絵を擬人化したうえで文章を変えました。事実を尋ねる問題の正答率は、事実に即した文章/擬人化した文章の順に、3歳で90%/75%、5歳で93%/89%。年齢を合わせた分析では、絵も文章も擬人化した条件の正答率が低くなりました。各年齢だけで差が確定した、という結果ではありません。方法・結果・表1、表2

家庭の読み聞かせに、そのまま広げられないこと

この研究は、短い読書のあとに、限られた動物について答えた結果です。日本の家庭で長く読み続けた場合や、市販の絵本すべてを比較したものではありません。図鑑を添える会話例そのものの効果も測っていません。

また、測定には「人間のように話す」といった行動と、感情や社会的な特徴への質問が含まれます。この点から、動物に感情がないと教える根拠には使えません。物語を楽しむこと、想像すること、読書が好きになることも、この実験では評価していません。

家庭で持ち帰れるのは、調べたい事実があるときに、本の説明にも目を向けるという視点です。お気に入りのお話は楽しみながら、現実への疑問には別の資料を開く。二つの本を、親子の関心に合わせて使い分けられます。

参考文献

参考資料へのリンクは別タブで開きます。

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