この記事の要点
- 黄色と赤では、色が目立つしくみが違う: 黄色はもともと葉にある色素が見えやすくなり、赤くなる葉では赤い色素が作られます。
- 一枚に、いくつもの色があってもいい: すべての葉が同じ順番、同じ日に変わるわけではありません。今見える色をそのまま話せます。
- 摘まなくても観察できる: 園路から見る、写真に残すだけでも楽しめます。色素の名前を覚えることまで目標にしなくて大丈夫です。
「こっちの葉は黄色で、あっちは赤いね。どうして?」と聞かれたら、「葉の中の、色のもとが変わるんだよ。黄色と赤では少ししくみが違うんだ」と返せます。
イチョウやカエデなど、秋に色づく木を見つけた日は、一枚の葉や一本の木から眺めてみましょう。幼児には色の違いを、小学生には葉の中で何が変わるのかを、関心に合わせて話せます。
黄色は、もともとあった色が見えやすくなる
緑色の葉には、クロロフィルという緑の色素が含まれています。葉には黄色の色素、カロテノイドもありますが、緑が強く見える間は目立ちません。
秋に落葉の準備が進んで緑の色素が減ると、黄色が見えやすくなります。絵の具で緑の葉を黄色く塗り替えるのとは、違う変化です。国立科学博物館の解説
子どもには「葉っぱの中にあった黄色が、見えてきたんだね」と短く話すこともできます。「色素」という言葉は、色のもとになる物質、と説明すれば十分です。
赤くなる葉では、新しい色素が作られる
赤く色づく葉では、アントシアニンという赤い色素が作られます。緑色の色素が減ることに加えて、赤い色素が増える変化が起きています。
葉にたまる糖や、日光、気温などがこの変化に関わります。農林水産省の解説も、黄色が見えやすくなるしくみと、新たに赤い色素が作られるしくみを分けて紹介しています。農林水産省の解説
「黄色になった葉が、全部そのまま赤くなる」とは限りません。イチョウの黄色と、赤いカエデの葉を並べて考えるときも、どの木の葉なのかを一緒に見られます。カエデの仲間にも、黄色く色づくものがあります。

一枚の葉を、「赤だけ」と決めなくていい
まだ緑のところがある、ふちだけ赤い、茶色も混じって見える。葉の色は、赤・黄・緑のどれか一つに、きれいに分かれるとは限りません。
「どこが黄色く見える?」「前に見たときと、どこが違う?」と、気づいた場所を指して話せます。大人が思っていた色と違っても、すぐに直すより、同じ部分を見ているか確かめる方法があります。
色を言い分けることが難しい子や、言葉にしたくない子なら、気になった葉を指したり、一緒に眺めたりするだけでも構いません。
葉を取らずに、見える範囲から
観察のために枝から葉を取る必要はありません。公園の園路や普段の道の安全な場所から、届かない葉はそのまま眺められます。葉や木の名前が分からないときは、むやみに触らず、写真や施設の案内で確かめる選択肢があります。
「昨日も見たから、今日は通り過ぎたい」でも構いません。紅葉を見つけた日が、そのまま親子の自由研究の日になるわけではありません。
もし「いつ全部赤くなる?」と聞かれたら、「この木がどう変わるか、また通ったときに見よう」と返せます。一本の木を見ただけで、地域全体の見ごろや今年の気候を決めることはできません。
この記事で参考にした資料の範囲
根拠にしたのは、日本の博物館と行政機関による、紅葉・黄葉のしくみの解説です。親子で観察することの学習効果を調べた実験ではありません。会話や観察の方法は編集部の提案です。
また、資料には過去の見ごろ情報や、その当時の気象観測の説明も含まれています。この記事では葉の色の基礎を参考にし、現在の紅葉予報としては使っていません。
黄色がもともとあったこと、赤い色素が作られること。そのどちらか一つを知って、目の前の葉をもう一度見るだけでも、最初の疑問への答えになります。









